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仙台・福島美術館で秋季展 創設者3代にスポット、「フジビール」ゆかりの作品も

「福島美術館由来考」展示の様子

「福島美術館由来考」展示の様子

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 福島美術館(仙台市若林区土樋、TEL 022-266-1535)で現在、秋季展「福島美術館由来考~仙台の起業家・福島禎蔵が遺したモノ~」が開かれている。

わずか2年間だけ操業した「フジビール」ゆかりの作品も

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 同館は、社会福祉法人「共生福祉会」が1980(昭和55)年に創設した私設美術館。近世・近代の絵画と書跡のほか、工芸・彫刻・歴史史料など3000点を収蔵する。その多くは共生福祉会の設立者・福島禎蔵が生前寄贈したもので、福島、先代・與惣五郎、先々代・運蔵の3代にわたり収集された。

 同会設立50周年記念として企画した同展では、福島家3代にスポットライトを当て、書画・工芸品・写真など約60点を展示。「福島禎蔵と禅」「美術愛好グループ〈是心会〉への参加」「父 福島與惣五郎のこと~芸術家たちのパトロンとして~」「祖父 福島運蔵のこと~福島コレクションのルーツ~」「福島家の工芸品」「仙台藩伊達家の文化を守り伝える」「起業家・福島禎蔵」の7章に分けて紹介する。

 主な展示作品は、佐久間晴嶽「琵琶行図」、遠藤速雄「三聖月星図」、熊耳耕年「不老長春図」、伊達政宗「鮎貝日傾斎宛書状〈茶の湯の稽古〉」「茶席献立〈霜月十二日〉」、高橋天華「書・金石文」、伊達綱宗「弁財天牡丹図」、菊田伊洲「雨中の瀧図」、三浦乾也「茶碗 銘・秋草残月」など。

 中村不折「富士図」や北澤楽天「楽描帖より『富士山でフジビール』」など、福島が1919(大正8)年に設立したビール会社「東洋醸造」が1921(大正10)年に製造・販売した「フジビール」ゆかりの作品も展示する。東洋醸造は1923(大正12)年、麒麟(きりん)麦酒と合併し、キリンビール仙台工場として操業を開始した。

 同館学芸員の尾暮まゆみさんは「当館の収蔵品は福島さんが後世の人々の心の縁となるようにと共生福祉会に託したもの。地元の人が地元に残した文化を、ぜひ地元の人に見ていただければ」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~16時30分。月曜、10月13日・11月4日・11月10日休館。入館料は、一般=400円、学生・70歳以上=300円、障がい者・高校生以下無料。同展は11月23日まで。

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