東北歴史博物館(多賀城市)で現在、「さくらももこ展」が開かれている。
漫画家でエッセイストの故・さくらももこさんの仕事をたどる企画展。代表作「ちびまる子ちゃん」「コジコジ」をはじめ、エッセーや作詞、絵本など幅広い創作活動に焦点を当て、直筆原画や手書き原稿、関連資料など約300点を展示する。会場は序章、第1章~第5章、終章で構成し、作品ごとの世界観に合わせた色彩や文字演出を施す。
第1章では、「ちびまる子ちゃん」の直筆原画を展示する。1986(昭和61)年の連載開始以降、アニメ化を通じて国民的人気作品へと成長した歩みを紹介。主人公・まる子のモデルとなったさくらさん自身の子ども時代や、当時の暮らしをユーモアを交えて描いた作品群も並ぶ。
第2章では、「もものかんづめ」をはじめとするエッセー作品を紹介する。会場には原稿用紙を引き延ばした「巨大原稿用紙」も展示。高校時代の作文が「現代の清少納言」と評されたことをきっかけにエッセーを書き始めた経緯や、アニメ「ちびまる子ちゃん」の脚本、作詞活動など、多面的な創作活動にも光を当てる。
第3章では、子育てや季節の移ろい、小さな日常へのまなざしに焦点を当てる。息子と共に制作した作品も展示し、創作活動と並行して家族との時間を大切にしていた一面も伝える。暮らしの中にある何気ない出来事や感情を丁寧にすくい取る、さくらさんの感性もうかがえる。
第4章では、ナンセンス表現に本気で取り組んだ創作世界を「カオスな脳内ワールド」として展開。「神のちから」「神のちからっ子新聞」など、不条理さの中に独特のユーモアが漂う作品群が並ぶ。
第5章では、1991(平成3)年の落書きから生まれた「コジコジ」を特集する。メルヘンでありながら哲学的でもある世界観や、「コジコジはコジコジ」という言葉に象徴される独自の価値観を紹介。シュールで自由な発想が、時代を超えて人々の心に響き続けていることも伝える。
東北歴史博物館学芸員の森谷朱さんは「『ちびまる子ちゃん』は皆さんよく知っている作品だと思うが、さくら先生の小学生時代や昭和40年代の暮らしぶりも浮かび上がってくる。東北歴史博物館での展示ということで、昭和の日常風景にも思いをはせてもらえれば」と話す。「漫画やエッセーの執筆で忙しい中でも息子さんとの時間を大切にしていた様子もうかがえる。日常の小さな幸せを作品にもされていた一面も見てもらえたら」とも。
開館時間は9時30分~17時(最終入場は16時30分)。月曜休館。観覧料は一般=1,600円、高校生以下=800円、未就学児無料。6月21日まで。