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宮城県美術館で篠山紀信さん個展「写真力」-震災発生50日後の人々も

初日を前に宮城県美術館を訪れた篠山紀信さん。同展について「一種のバトルを体感してほしい」とも

初日を前に宮城県美術館を訪れた篠山紀信さん。同展について「一種のバトルを体感してほしい」とも

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 宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉、TEL 022-221-2111)2階展示室で8月6日から、「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」が開かれる。

震災から50日後の被災地の人々を写した「ACCIDENTS」

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 1950年代後半に活動を始め、現在も第一線を走り続けている写真家・篠山紀信さん。これまでは美術館での回顧的な展覧会を嫌ってきたが、「日常にはない空間の中に、すごい写真の力がこめられたものを巨大に伸ばして、写真力と空間力がぶつかったらどうなるのか実験してみたい」と、初めての大規模個展を決めたという。

 会場は、「GOD(鬼籍に入られた人々)」「STAR(全ての人々に知られる有名人)」「SPECTACLE(私たちを異次元に連れ出す夢の世界)」「BODY(裸の肉体-美とエロスと闘い)」「ACCIDENTS(3.11 東日本大震災で被災された人々の肖像)」で構成。篠山さんが過去50年間に撮影してきた有名人のポートレートを中心に、「『写真力』の視点から厳選された作品」112点を展示する。

 「ACCIDENTS」では、東日本大震災発生から50日後に仙台や気仙沼などで撮影した9作品を展示。「カメラの前に立ってもらって、レンズをじっと見てくださいって言って、2~3枚撮っただけの写真。ここに来てくださいとか、元気な顔をしてくださいとか、ポーズをつけるとかは一切していない」という。

 「あそこには本当に、写真家が意図して何か撮ろうということよりも、むしろ被災された方の特別な感情っていうのがストレートにカメラに写っていて、ああ、これも写真ができる力だなと思ってね。この展覧会の最後に入れたいと思った」と話す。「(被災地である)仙台の皆さんがどんな風に、どういう心境で見てくれるのかなって思っている」。

 展示について、「今までの写真展というのは作品としての写真があって、それを鑑賞していろいろ感じるもの。この展示は大空間に、すごい力が込められた大きな写真があって、それと対峙(たいじ)しながら体感するという写真との出合い方だから、全く違うと思う」と篠山さん。「会場でこの写真と直接対面していただきたい」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(9月15日、10月13日は開館)、9月16日・10月14日休館。入場料は、一般=1,200円、学生=1,000円、小・中・高校生=600円。10月19日まで。

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