仙台で「ぴあフィルムフェス」開幕-「フラガール」李監督のワークショップも

ワークショップの様子。「練炭心中に失敗した親子の前に死に神が現れる」という脚本を元に参加者が演出を行い、指導を受けた

ワークショップの様子。「練炭心中に失敗した親子の前に死に神が現れる」という脚本を元に参加者が演出を行い、指導を受けた

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 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)のスタジオシアターで11月21日、自主製作映画のコンペティション映画祭「第30回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が開幕した。

李相日監督と深沢義啓プロデューサー

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 「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに1977年に東京で初開催された同フェスは「若手映画監督の登竜門」としても知られ、森田芳光監督や犬童一心監督、矢口史靖監督、中村義洋監督、荻上直子監督など、数々の監督を輩出してきた。30回目となる今回は7月の東京を皮切りに名古屋・福岡・仙台・神戸・京都の各会場を巡回する。

 メーンプログラムは、自主製作映画のコンペティション「PFFアワード」。今回は601本の応募作品のうち、4カ月かけて選び抜かれたという入選15作品を上映。22日には今年度のグランプリ・技術賞・GyaO賞を総ナメにし、今年10月の釜山国際映画祭でも作品賞を受賞した「無防備」の市井昌秀監督が来場する。

 招待作品として、第18回PFFスカラシップ作品の内藤隆嗣監督作品「不灯港」、1950年代ハリウッドの巨匠と呼ばれるダグラス・サーク監督作品の「第九交響楽」「思ひ出の曲」も上映。同フェスディレクターの荒木啓子さんは「今回上映するダグラス・サーク作品は約70年前の映画。メロドラマの語源となったメロディードラマを完璧に表している2作品で、なかなか見ることができないもの。この作品にも注目してもらえれば」と見どころを話す。

 開催初日の21日には、「フラガール」李相日監督と大阪・朝日テレビの深沢義啓プロデューサーをゲストに迎え、ワークショップ「映画現場の演出:監督とプロデューサーの仕事」が行われ、映像関係を学ぶ学生や放送関係者約35人が参加。李監督の作品「タガタメ」の脚本を元に参加者がグループに分かれてストーリーボードを作成し、2人の役者に演出を施して発表。滅多にない機会に参加者たちは緊張しながらも、李監督や深沢プロデューサーからの細かい指導に熱心に耳を傾けた。

 メディアテークと共同でワークショップを企画した東北芸術工科大学の高橋勝彦仙台事務局長は「仙台は演劇が盛んだが、プロとしてトップで活躍されている監督やプロデューサーの方にお会いして直接指導を受ける機会はあまりないので、地域にとって意味のあるセミナーだった」と振り返る。

 チケット料金(当日)は、1回券=1,200円、3回券=3,000円。今月24日まで。

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