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「仙台フォーラス」休業前最後の営業終える 39年の歴史にいったん幕

100人弱の従業員が入り口に集まり感謝を込めて頭を下げ、集まった市民らが拍手で見送った

100人弱の従業員が入り口に集まり感謝を込めて頭を下げ、集まった市民らが拍手で見送った

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 ファッションビル「仙台フォーラス」(仙台市青葉区一番町3)が2月29日、休業前最後の営業を終え、39年の歴史にいったん幕を下ろした。

2階のスターバックスコーヒーから手を振るスタッフも

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 1975(昭和50)年5月に総合スーパー「ジャスコ仙台店」として開業。1984(昭和59)年にファッションビル「仙台フォーラス」に業態転換し、昨年11月で39周年を迎えた。建物・設備の老朽化が進んでいることに加え、東日本大震災や、2021年、2022年に立て続けに起きた福島県沖地震により、設備の故障・停止や建物損傷が発生。修繕や耐震補強の工事は終了しているが、今後の長期的な安全性確保を目的にした建物・設備の劣化調査を行うため、3月1日から休業に入った。

 休業前の最終営業日は18時に閉店。その後、正面入り口前で休業セレモニーを行い、佐藤雄一館長をはじめ同館従業員が整列して、店の前に残った利用客や集まった市民らにあいさつした。

 「仙台フォーラスは1984年、フォーラス事業第1号店としてオープンした東北生まれのファッションビル。東北生まれのフォーラスを温かく支持いただいた東北一円のお客さまのおかげ。本当にありがたく思う。メッセージボードに『フォーラスは私たちの青春でした』という言葉があり、うれしく思っている」と佐藤館長。「商業施設にとって一番大事な安全安心をしっかり整えて、またお客さまに喜ばれる店として戻ってきたい」と決意を伝えた。

 最後は「39年間ありがとうございました」と従業員全員で深々と頭を下げた。市民らはシャッターが完全に下りるまで見守り、大きな拍手と「ありがとう」の声が商店街に響いた。

 市内から駆け付けた40代女性は「学生の頃、初売りやバーゲンに友達と深夜から並んだり、地下の北京餃子(ギョーザ)でおなかいっぱいになるまで食べたり、(フォー)ラス前で待ち合わせしたりと、いろんな思い出がよみがえった。新しく生まれ変わったフォーラスに会える日を楽しみにしたい」と話していた。

 再開時期は未定で、調査結果を踏まえて決定するという。建物のショーウインドーや看板、ウェブサイトには「ちょっと先のミライで、またお会いしましょう See you」と記されている。

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