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東日本大震災記録集「3.11キヲクのキロク」発行へ-市民が撮影した写真1500枚

震災当日、交通がまひして混乱する仙台駅前の様子。「3.11キヲクのキロク」画像アーカイブから

震災当日、交通がまひして混乱する仙台駅前の様子。「3.11キヲクのキロク」画像アーカイブから

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 NPO法人「20世紀アーカイブ仙台」(仙台市宮城野区田子1、TEL 022-387-0656)は3月1日、市民が撮った東日本大震災の記録集「3.11キヲクのキロク」を発売する。

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 同NPOは震災発生後の昨年4月4日、ウェブサイト「『3.11』市民が撮った震災記録」を開設。ツイッターやフェイスブックでの呼び掛けを通して市民・県民から写真を集め、サイト上で公開を始めた。

 これまでに寄せられた写真は約1万8000枚。そこには、震災の被害だけでなく、ろうそくをともしての食事や買い出し・水くみなど生活の様子が収められていた。同NPO副理事長の佐藤正実さんは「町の様子や生活を営む人々の姿がありのままの当時を伝えており、貴重な資料になると再確認した」と話す。

 同書では、寄せられた写真の中から1500枚を「画像アーカイブ」として掲載。仙台市5区と宮城県内14市町の19ブロックに分け、震災当日から約半年分を時系列にまとめた。

 そのほか、画像提供者52人の震災体験をつづった「テキストアーカイブ」、震災関連の新聞記事を抜粋した「震災関連新聞記事」、東北で過去に起きた大地震の記録を地層・文献から読み解く「歴史から見る3.11震災」、地震・津波被害の範囲を地図上に表した「津波浸水エリアマップ」も掲載する。

 「震災の中の生活を正確に記録しようとした結果が本にまとまったが、今はまだ必要とされる資料ではないかもしれない」と佐藤さん。しかし、発生から17年がたった阪神・淡路大震災を「どう伝えていくか」という神戸市民の課題が、いずれ自分たちにも突き付けられると感じている。「被災者は一生あの体験を忘れないが、問題は世代が変わってから。3.11を語り継ぐという意識を持ち続けなければいけない」。市民によるこの記録が、震災の記憶を後世に伝えていくことを願ってやまない。

 価格は2,100円。A4変型・330ページで初版3000部。市内主要書店と全国のジュンク堂書店、Amazonで販売する。

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