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仙台空港に「復興ピアノ」 がれきの中からよみがえった「奏でる震災遺構」

設置記念ミニライブで「復興ピアノ」を奏でる大岩さん

設置記念ミニライブで「復興ピアノ」を奏でる大岩さん

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 仙台空港ターミナルビル1階センタープラザに3月1日、「復興ピアノ」が設置された。

2011年4月、被災当時のピアノ

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 「復興ピアノ」は、塩釜市在住のピアノ講師・櫻井由美さんが所有するグランドピアノで、七ケ浜町で東日本大震災の津波により被災し、がれきの中に置かれていた。復興支援で訪れていたシンガー・ソングライターMetisさんの目に留まったことがきっかけで修復作業につながり、約半年かけて演奏できる状態によみがえった。傷だらけの見た目から故・西城秀樹さんの名曲「傷だらけのローラ」にちなみ「ローラ」の愛称で呼ばれている。

 「『奏でる震災遺構』ともいえる復興ピアノを、震災伝承施設として登録されている仙台空港に設置することにより、東日本大震災や音楽の力について考えるきっかけをつくるとともに、皆さまの心に寄り添いながら震災の記憶を伝えていきたい」と2021年に初めて設置し、今年で3年目。時間内であれば誰でも見学・演奏できる。

 初日に空港を訪れた櫻井さんは「毎年皆さまにお会いできる機会を頂き、うれしい限り。今年はどんな方々に弾いてもらえるのかなと楽しみにしている。震災に関するあらゆる行事が縮小されていく中、津波からよみがえったローラが仙台空港にいることは、とても大きな意味がある。キラキラしたローラの音色が、今年も皆さまの心に届きますように」と期待を寄せる。

 設置期間中はイベントも開催する。初日は、仙台出身のピアニスト・大岩千華さんによる設置記念ミニライブが開かれ、「主よ、人の望みの喜びよ」「献呈」「ボヘミアン・ラプソディー」「ユー・レイズ・ミー・アップ」の4曲を演奏した。4日は12時30分から竹森マサユキさん(カラーボトル)と齋藤めぐむさんによる「復興空港ピアノライブ 2023」、10日は16時から千野哲太さんなどによる「鎮魂と希望III」コンサートを予定する。

 利用時間は9時~20時。3月11日、メンテナンス時、イベント開催日は利用不可。今月12日まで。

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