仙台市文化財展「デザイン、見に来てございん−いろ、かたち、もようで読み解く仙台の歴史−」が10月28日、せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)1階オープンスクエアで始まった。
「せんだい文化財かわいい総選挙」で人気を二分している正体不明の動物と岩偶
遺跡別や時代別など、コンセプトを変えながら仙台市教育委員会が毎年開く同展。今回はデザインをテーマに、市内の遺跡から出土した遺物150点超、パネルを含め200点以上を展示する。「文様」「色」「形」「空間」の4つの視点で構成し、当時の人々の美意識や暮らしの工夫、文化財に込められた意味などを紹介する。
「文様」では、縄文土器の縄目や渦巻き、古代寺院の瓦に施されたれんげ文などを紹介。「色」では、古墳の壁画を彩った赤、希少なヒスイの緑、権威を示す金などに着目する。「形」では、古墳時代の土器や弥生時代の農具など、用途に応じた形の工夫を現代の道具とも比較できるようにする。「空間」では、古代の寺院や役所、城の建物配置から、権威を示したり、敵の侵入を防いだりする工夫を読み解く。
「空間」のコーナーには、多賀城に国府が置かれる以前の役所跡とされる郡山遺跡II期官衙(かんが)の復元模型とVRを今回新たに用意。建物が計画的に配置された様子を模型で紹介するほか、VRでは当時の空間を歩くように見て回ることができる。
会場正面には、現在発掘調査中の桜ケ岡公園遺跡から出土した金箔(きんぱく)鯱瓦(しゃちがわら)と金箔鬼瓦計4点を展示する。同遺跡は仙台藩の建築工事に関わる工房があったと考えられており、仙台城との関係が注目されるという。
文化財課職員が選んだ「かわいい文化財」を展示する「せんだい考古学かわいいフェス」コーナーも設けた。弥生時代の岩偶や動物形の土製品、ティーカップのような形の須恵器(すえき)などを並べ、「せんだい文化財かわいい総選挙」と題して来場者による人気投票を行い、結果はインスタグラムで発表する。
オリジナルトートバッグ作りや缶バッジ作りなどの体験プログラムも用意。10月31日は文化財課職員による講座、11月1日は東北芸術工科大学の教授による、考古学とデザインをテーマにした対談形式の講座を開く。
仙台市文化財課係長の元山祐一さんは「これまで考古学や遺物の展示を見に来ていた人にも、デザインという視点から新しい発見をしてもらえたら。美術やデザインに関心のある人にも、ふらっと立ち寄って文化財に触れてほしい」と話す。
開催時間は10時~18時。入場無料。11月1日まで。