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宮城県美術館でカンディンスキー展 抽象画先駆者の画業を国内所蔵品でたどる

第4章「バウハウス、幾何学のしるしのもとに」の展示。左手前の作品は同展ポスターにも使われている「支え無し」

第4章「バウハウス、幾何学のしるしのもとに」の展示。左手前の作品は同展ポスターにも使われている「支え無し」

 特別展「カンディンスキー 世界は鳴りひびく―日本のコレクションでたどる画業と反響―」が現在、宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉)で開かれている。

日本人とカンディンスキーの出会いとその関係性に注目した第3章「カンディンスキー、日本における響き」

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 抽象絵画の先駆者の一人として知られるロシア生まれの画家ワシリー・カンディンスキーの初期から晩年までの画業を、国内の美術館や個人が所蔵する作品でたどる同展。国内での大規模な回顧展は24年ぶりで、同館では初めてとなる。同館は1981(昭和56)年の開館以来、カンディンスキーをコレクションの軸の一つとしてきた。

 出品作は全て国内所蔵品。日本には明治末期以降、カンディンスキーの作品が少しずつもたらされ、現在では40年以上にわたる制作の歩みをある程度たどれるまでになったという。学芸員の小檜山祐幹さんは「以前は日本にある作品だけでは穴も多かったが、近年になって、その穴を埋めてくれるような作品が新たに収集される動きもあった。今なら日本の作品だけでも全体像を示せるかもしれないと、この企画に踏み切った」と説明する。

 展示は5章構成。初期の作品から年代を追って紹介する。第1章では、同館所蔵の「商人たちの到着」など、人物や風景、物語性を残す作品を展示。小檜山さんは「最初は物語性があったり、ロマンチックだったり、絵本の世界のような絵を描いていた」とする一方、「当時からいろいろな色を絵の中に盛り込んで、その力で表現をしたいという気持ちはずっとあった」とも。

 その後、カンディンスキーは、具体的な風景や物語を描かなくても、色や形そのものの力で人の心を動かせるのではないかと考え、試行錯誤を重ねていく。1908年の「3本の菩提(ぼだい)樹」では、風景を強い色彩と形の塊として捉え始め、そこから数年のうちに形をさらに単純化し、抽象表現へと向かった。第2章では、版画や油彩作品を通して、その変化の過程を追うことができる。

 第3章では、日本との関係に焦点を当て、萬鉄五郎や恩地孝四郎ら、カンディンスキーに影響を受けたと考えられる作家の作品も並べる。小檜山さんは「作家の影響関係は非常に慎重に考えないといけない」とした上で、「この場所に立ってもらうと、ちょっと見えてくる」と話す。日本に初めてもたらされたカンディンスキーの油彩画「尖端」も展示する。

 第4章では、ドイツの造形学校「バウハウス」で教壇に立った時期を紹介。ポーラ美術館所蔵の「支え無し」など、円などの図形を使った幾何学的な構成へと作品が変化していく様子が見られる。第5章では、パステル調の色彩や生き物を思わせる形などを取り入れた晩年の作品を紹介する。

 小檜山さんは「抽象絵画という言葉には難しかったり冷たかったりするイメージがあるかもしれないが、実物の前に立つと、本当に画家が描いた絵なんだな、色や形を描くことの喜びがあったんだなということも感じてもらえるのでは」と来館を呼びかける。

 開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。観覧料は、一般=1,300円、学生=1,100円、小中高生=650円。月曜休館(祝日の場合は翌日)。10月28日まで。

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