絵本作家・ヨシタケシンスケさんの展覧会「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が9月26日、東北福祉大学ギャラリーミニモリ(仙台市宮城野区榴岡2)で始まった。
1973(昭和48)年生まれ、神奈川県出身のヨシタケさんは、筑波大大学院芸術研究科総合造形コースを修了。イラストレーターや造形作家として活動した後、2013(平成25)年に「りんごかもしれない」で絵本作家としてデビューした。「もうぬげない」「つまんないつまんない」「おしっこちょっぴりもれたろう」などの作品を手がけている。
初の大規模個展となる同展は2022年4月から全国を巡回している。会場では、ヨシタケさんが絵本作家としてデビューする以前から描きためてきた1万枚を超えるスケッチの中から約2500枚を複製して壁にずらりと展示。「りんごかもしれない」「つまんないつまんない」「なつみはなんにでもなれる」など約30作の絵本から原画や構想段階のアイデアスケッチも紹介する。
会場には学生時代に制作した立体作品や、アトリエに保管していた私物コレクションなども並べ、ヨシタケさんの発想の源をたどる構成。絵本の世界に入り込んだように楽しめる体験型の展示も設ける。身近なものを「もしかしたら」「かもしれない」と違う角度から眺め、想像を広げるヨシタケさんの物の見方を会場全体で表現する。
開幕前日には内覧会が開かれ、ヨシタケさんがギャラリートークを行った。自身の創作について、「その時ヨシタケ家に起きたことを絵本の形にしていくタイプ」と話し、子どもが小さかった頃や、いずれ家を出ていくことを意識した時など、その時々の出来事や心境を作品にしてきたと紹介。
絵本を作る過程で一番楽しい時を尋ねられると、「思い付いた時が一番テンションが高い」と答え、絵本作りを弁当作りに例え、「こういう弁当箱にこういうふうに詰めていこう」と考えながら作り、最後に残った隙間にぴったり合うアイデアを思い付いた瞬間が「すごく気持ちいい」と話した。
最近の関心については、「今自分の中で一番ホットな話題が、自分自身の老化」とも。「人って年を取るな、年を取るって寂しいな」と感じるという一方、「今後は高齢者の人が読む絵本とか、おじいさんおばあさんが読んでゲラゲラ笑うような本ができないかな」と笑顔を見せる。
開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、一般=1,400円、中高生=1,200円、小学生=800円、未就学児無料(要保護者同伴)。11月8日まで。