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昭和期の仙台がアクリルキーホルダーに 町歩きで現在の風景と重ねてパチリ

「宮城酪農直営のミルクスタンド」(写真提供=カネイリミュージアムショップ6) 撮影年/1957(昭和32)年ごろ、写真/阿部幹夫さん、所蔵/風の時編集部

「宮城酪農直営のミルクスタンド」(写真提供=カネイリミュージアムショップ6) 撮影年/1957(昭和32)年ごろ、写真/阿部幹夫さん、所蔵/風の時編集部

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 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)1階「カネイリミュージアムショップ6」(TEL 022-714-3033)が3月19日、昭和時代の仙台の風景を印刷したアクリルキーホルダー「仙台てくぱちパズル」の販売を始めた。

5種類をそろえて組み合わせると四角形が出来上がる

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 開発のきっかけは、市内の出版社「風の時編集部」(宮城野区)が昭和の街角写真を一冊にまとめた「仙台クロニクル」。店長の伊藤彩乃さんは「犬がその辺を自由に歩いていたり、ネオン看板が高層ビルのない空に輝いていたり、市電のための電線が張り巡らされていたり、20~30代のスタッフたちにとって『見たことのない仙台』の風景を味わえた。この景色のかけらを持ち運ぶことができたらどんなに楽しいだろうと思った」と振り返る。

 気軽に持ち運べ、写真を精巧に印刷できることからアクリルキーホルダーにすることを発案。「アクリルグッズは昨今、アーティストやアニメ、ゲームのグッズでもおなじみで、出先で共に写真を撮影してSNSにアップする文化がある。これに街歩きを組み合わせたら、大人から子どもまで楽しめるグッズになるのではないかと考えた」と伊藤さん。風の時編集部から写真の使用許可を得て、商品化にこぎ着けた。

 ラインアップは、「旧宮城県庁と旧宮城県図書館」「名掛丁入口の電飾アーチ」「宮城酪農直営のミルクスタンド」「青葉通にあった仙都会館」「南町通を走る廃止間近の仙台市電」の5種類。市民が仙台を撮影した昭和20年~50年代の写真約3000枚の中から、カネイリミュージアムショップ6のスタッフが選定した。「写真を一枚一枚拝見し、スタッフ目線で『仙台にこんな場所があったんだ』という驚きを感じられるものを選んだ」と伊藤さん。せんだいメディアテークから徒歩圏内でコースが成立することも選定の基準となったという。

 「行き先のくじのような感覚で選べるように」とブラインドパッケージで販売し、写真の撮影地や元の写真、当時のエピソードなど関連情報が見られるQRコード付きの台紙を封入。撮影地を目指して町を歩き、キーホルダーに印刷された昭和の町並みと現在の様子を重ねて撮影する楽しみ方を想定する。5種類それぞれがパズルのピースのような形をしており、全てそろうと四角形になる仕掛けも施した。

 伊藤さんは「お子さまとの外遊びや観光中の小さな遊びとして、幅広い世代の方に楽しんでほしい。景色のかけらを気軽に持ち歩けるところもポイントなので、当時を知っている先輩方と知らない世代の間でコミュニケーションツールにも活用できる。何でもないように見える街角が史跡のように見えてくる面白さを感じてもらえたら」と呼びかける。

 価格は1個660円。

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