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仙台市博物館で「古代アンデス文明展」 土器やミイラなど資料200点、全容に迫る

ワリ文化の「土製のリャマ像」(ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館所蔵)

ワリ文化の「土製のリャマ像」(ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館所蔵)

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 仙台市博物館(仙台市青葉区川内、TEL 022-225-3074)で7月27日、特別展「古代アンデス文明展」が始まった。

シカン文化の金属製品

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 16世紀にスペインがインカ帝国を滅亡させるまで、巨大な神殿やピラミッド、地上絵などを造り上げた多様な文化が盛衰を繰り返した南米大陸のアンデス地域。インカ帝国を含むこれらの文化はアンデス文明と総称され、ナスカ、モチェ、ティワナク、シカンといった各文化の特徴や影響関係が、考古学や人類学によって明らかにされている。

 同展では、アンデス文明を代表する9つの文化(カラル文化、チャビン文化、ナスカ文化、モチェ文化、ティワナク文化、ワリ文化、シカン文化、チムー文化、インカ帝国)の土器や織物、黄金製品、ミイラなどの資料200点を展示し、その全容に迫る。

 会場内は以下の7エリアで構成。序章「人類のアンデス到達とその後の生活」、第1章「アンデスの神殿と宗教の始まり」、第2章「複雑な社会の始まり」、第3章「さまざまな地方文化の始まり」、第4章「地域を超えた政治システムの始まり」、第5章「最後の帝国 チムー王国とインカ帝国」、第6章「身体から見たアンデス文明」。

 主な展示資料は、カラル文化「青年像」、チャビン文化「差し込み用の突起付きの石の頭」、ナスカ文化「リャマが描かれた土器」、モチェ文化「象嵌(ぞうがん)のマスク」、ティワナク文化「トルコ石が象嵌された黄金の頭飾り」、ワリ文化「土製のリャマ像」「人間の顔が描かれた多彩色鉢」、シカン文化「金の胸飾り」「金の合金製のシカン神の仮面」、チムー文化「儀式用人物像カップ」、インカ帝国「インカ帝国のチャチャポヤス地方で使われたキープ」など。

 同展担当学芸員は「これまでインカ帝国やシカンなど、アンデス文明の全体を構成する一部分の文化に焦点を当てた展示は行ってきたが、今回はアンデス文明の全容をご紹介する内容になっている。仙台をはじめ東北の方々にアンデス文明5000年の歴史を感じていただければ」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は9時~16時45分(入館は16時15分まで)。月曜休館(8月6日・13日は開館、祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般・大学生=1,500円、高校生=800円、小・中学生=600円。9月30日まで。

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