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仙台のビアバー「アンバーロンド」10周年 クラフトビールの「流行を文化へ」

10周年を迎えた「アンバーロンド」店主の田村琢磨さん

10周年を迎えた「アンバーロンド」店主の田村琢磨さん

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 仙台・国分町のビアバー「アンバーロンド」(青葉区国分町2、TEL 022-211-5686)が6月4日、オープン10周年を迎えた。

「アンバーロンド」店内

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 店主の田村琢磨さんは学生時代に訪れたヨーロッパで、その土地ごとに異なるビールがあり、同じ醸造所でもさまざまな味わいや個性があることに感銘を受けた。当時働いていた飲食店で輸入ビールのラインアップを増やすなどビールへの造詣を深め、2008年に同店を開いた。

 まだ「クラフトビール」の呼び名も一般的でなかった出店当初はベルギーとドイツの銘柄を中心にそろえていたが、観光や出張で訪れた県外客から地元のビールを求める声が増え、宮城・東北の銘柄の取り扱いを増やすようになった。一方で地元客には国内のさまざまなビールを味わってもらおうと県外のラインアップを拡充。ほかにも米国のビールなど、取り扱いの幅を広げている。現在はたる生6~7種類、ボトル約50種類をそろえる。

 クラフトビール好きにより楽しんでもらう「深める」活動と別に、その魅力をまだ知らない人に「広める」活動も精力的に行ってきた。2012年にスマートフォンアプリ「Social Beer」をリリース、2014年には「仙台にもいろいろなビールを味わえる店があることを知ってもらいたい」と「仙台ビールマップ」を作製・発行した。競合店を紹介する形だが、「ビール好きが増えることが一番大事。どこかの店がきっかけでビール好きになれば、きっとうちにも来てくれるはず」とほほ笑む。6月15日には第4弾を発行する予定という。

 2015年には東北の醸造元と県内の飲食店を一堂に集め、活動の集大成となる「仙台クラフトビールフェスティバル」を初開催。会場で長い行列に並んだ人たちにお詫びに回ると、「ありがとう。こういうイベントを待っていた」と声を掛けられ、「思わず涙が出た」と田村さん。今年も8月31日~9月2日に勾当台公園で開催が決まっている。

 10年の節目を迎え、「仙台でもクラフトビールへの理解と盛り上がりが高まっていることを肌で感じる」とも。「これからは流行から文化へ成熟させていく段階。いままで地道に行ってきたことを続けながら、今後もさまざまな形でビールの楽しみ方を提案していきたい」と意気込みを新たにする。

 営業時間は18時~24時(金曜・土曜・祝前日は翌2時まで、日曜は16時~22時、以上ラストオーダー)。祝日の月曜定休、日曜不定休。現在、10周年記念ビール「プラチナロンド~SWEET 10~」たる生(330ミリリットル=780円、500ミリリットル=1,150円)を提供している。9月末まで。

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