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国分町の締めの一杯「味よし」、キッチンカーで再出発 根強いファンが後押し

キッチンカーで再出発した「国分町味よし」店主の氏家剛さんと、背中を押した妻の弘美さん

キッチンカーで再出発した「国分町味よし」店主の氏家剛さんと、背中を押した妻の弘美さん

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 「国分町の締めの一杯」として酔客に愛されてきたラーメン店「味よし国分町本店」が、キッチンカー「国分町味よし」として再スタートし1カ月がたった。

看板メニューの「味噌ラーメン」

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 「味よし」は初代店主の氏家孝夫さんが1966(昭和41)年に市内で開業し、1975(昭和50)年からは東北一の繁華街・国分町で営業。息子の剛さんが2代目としてのれんを守ってきたが、景気低迷やラーメン店の増加、新型コロナウイルスのまん延による客足減少を受け、「先の見えないコロナ禍で経営存続は困難」と昨年4月18日、45年の歴史に終止符を打った。

 ハローワークに通い職探しをしていた剛さんだったが、「父が作り上げた味を残したい」という思いと、妻・弘美さんの後押しもあり、コロナ禍でも3密を避け提供できるキッチンカーでの再スタートを決心。準備を進める中で昨年10月31日・11月1日、長町で行われた「KHBフリーマーケット」の飲食ブースに出店し、2日間とも長蛇の列となり予定の倍以上を売り上げた。「本当にうれしい悲鳴だった。お客さまから直接励ましの声をたくさん頂き、『味よし』が地元の方々に根強く愛されていることに気付かされた」

 今年1月20日~2月25日にクラウドファンディングでキッチンカー製作などに充てる資金を募り、目標金額を達成。2月11日~21日に仙台市民広場で行われたイベント「屋台ネオ仙台」に初出店し、4月28日から県内のホームセンターやショッピングモールで本格的に営業を始めた。

 看板メニューの「味噌(みそ)ラーメン」をはじめ、「醤油(しょうゆ)ラーメン」「塩ラーメン」(以上、小=550円、並=750円)、「ラーメン」(小=500円、並=700円)、「チャーシューメン」(900円)、「味噌チャーシュー」「醤油チャーシュー」「塩チャーシュー」(以上1,000円)を提供。トッピングは、メンマ(100円)、「チャーシュー」(1枚50円)。

 出店先には常連客やクラウドファンディングの支援者も駆け付け、1日平均で平日50食以上、休日100食以上を売り上げているという。「飲んだ後に食べに来ていたお客さまが家族を連れて来てくれたり、3世代にわたって来てくれたりしている。『懐かしい』『青春の味を思い出した』『変わらない味でおいしい』と喜んでいただき、初めて食べたお客さまにもおいしいという声を頂いていてうれしい」と剛さん。国分町への再出店を望む声も多いという。

 「キッチンカーでの営業に課題もたくさん見えてきたが、試行錯誤しながら一つ一つ解決して、何とか軌道に乗せていきたい。これからも昔から変わらない味よしのラーメンを届けていく。近くにいらした際は足を運んでいただければ」と話す。

 出店スケジュールはツイッターとフェイスブックで知らせる。6月の出店予定は、5日・6日=「錦ケ丘ヒルサイドモール」(青葉区錦ケ丘1)、9日~12日・16日~20日=「カインズ仙台港」(宮城野区中野3、一部商品のみ)、23日~26日=「カインズ仙台富谷」(富谷市)、30日=「カインズ仙台泉」(泉区高玉町)。営業時間は出店場所により異なる。

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