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宮城在住のイラストレーターが防災アイデア本 母親目線の「1日1防災」提案

同書内より「あのときあってよかったモノ」

同書内より「あのときあってよかったモノ」

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 宮城在住のイラストレーター・アベナオミさんが手掛けた「被災ママに学ぶ ちいさな防災のアイディア40」が2月7日、発売された。発行元は学研プラス。

被災時の体験を描いた漫画

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 アベさんは宮城県多賀城市在住のイラストレーターで現在2児の母。東日本大震災では家屋に大きな被害はなかったものの、ライフラインや食料を断たれた中で1歳の子どもを育てながら過ごした。その後防災士の資格を取得し、昨年3月11日から自身の経験を基に「1日1防災」と題したイラストをツイッターで投稿している。

 「津波に遭った方、自宅が倒壊した方、大切な家族を亡くされた方に比べれば被災の程度としては微々たるもので、そんな私が『当時は大変だった』と言うことにずっと申し訳なさを感じていた」というアベさん。それでも、「5年が過ぎて記憶が薄れていく危機を感じ、この投稿が今後発生するかもしれない次の大地震で役に立つかもしれないと思った」と防災情報を発信することを決めた。

 スタートして約1カ月後に熊本地震が発生すると、震災後の生活について描いたイラストが3万6000人以上にリツイートされ、熊本の被災者にも届いたという。メディアでも紹介され「ママ目線の防災の大切さ」に反響が集まり今回、出版にこぎ着けた。

 同書は「被災ママの体験から考える防災 今日その瞬間がきたらどうする?」「1日1防災 まずはここから。1日ひとつ、40日の簡単防災」「ミニマル防災 スッキリ生活で災害に備える」「さらに知りたい防災 もっと安心して暮らすために」の4章で構成。ツイッターの投稿に震災の体験や取材した内容を加筆し、「今日からできる防災対策」を漫画やイラストと文字で分かりやすく解説する。

 アベさんは「書籍になることでSNSを利用しない方でも手に取ることができるので、より多くの世代の方が『続けられる防災』を始めるきっかけになれば。特に、震災当時パパやママではなかった方に読んでいただきたい」と話す。「万一の災害に備えるのは難しいことだと思うが、毎日ほんの少しずつ、物が落ちない工夫をしたり、いつもより1パック多く食料品を買ったりするだけでいい。それぞれの家庭で、いつもの生活の中で1日1防災をしていただければ」と願う。

 A5判、144ページ。価格は1,200円(税別)。全国の書店とインターネット通販などで取り扱い、電子版も用意する。

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