宮城県美術館で音と映像のインスタレーション-テーマは「交差」

建築家、映像作家、音楽家、科学者の「交差」による実験的なインスタレーション作品「工場と遊園地 Factory and Fantasy」

建築家、映像作家、音楽家、科学者の「交差」による実験的なインスタレーション作品「工場と遊園地 Factory and Fantasy」

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 宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉)2階展示室で3月17日から、特別企画展「occur2009『仙台発21世紀サウンド&デザイン』」が開催されている。

映像に触れて遊ぶ親子

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 同展は、仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアムの研究会事業「クリエイティブ関連都市型フェスティバル調査研究会」(通称=フェスラボ)が主体となり開催するもの。これまで同研究会では「創造性によって人が集まり、経済システムが動いていくクリエーティブな都市づくり」を目的に、デザインとサウンドに特化したフェスティバルの実現を目指して活動を続けてきた。同展はそのプレイベントに位置付けられる。

 イベントのテーマは「交差 The moment a vector crosses.」。展示されているインスタレーション作品「工場と遊園地 Factory and Fantasy」はテーマ通り、建築家、映像作家、音楽家、科学者という異なる分野の専門家の技術とイマジネーションの「交差」によって生まれた。作品に参加したのは、建築・プロダクトデザインユニット「ちっく」、映像制作プロダクション・WOWの社内ユニット「wowlab」、仙台を拠点に活動するアーティスト「antennasia」、宮城大学事業構想学部デザイン情報学科の茅原拓朗准教授。

 会場内にスクリーン7面、プロジェクター7台を設置し、認知科学の手法を応用した奥行きを感じさせる映像を投射。映像は場内に置かれたオブジェや流れるサウンドと交差し、互いに影響し合うことで「現実と空想、音楽と映像、過去と未来、視覚と聴覚などの境界を体験できる」(同研究会)作品となっている。来場者は、スクリーンに自分の姿を投影させ、映像の中にあるオブジェクトに触れることで、映像世界の内側に入り込んだような不思議な錯覚を体感できる。

 会場には初日から幅広い層が訪れ、作品の中を跳ね回って「美術館で汗をかいたのは初めて」と笑顔を見せる子どもの姿も。同研究会メンバーの柿崎慎也さんは、ブルース・リーの言葉「Don’t think, feel it!(考えるな、感じろ)」を引き合いに出し、「難しいことを考えず、子どもたちのように全身で楽しんでもらえれば」と話す。

 開催時間は9時~17時。月曜休館。入場無料。20日・22日・29日の14時からantennasiaのライブを行い、22日には関連イベントとして「仙台クリエイティブフォーラム2009」を同館講堂で開催予定。今月29日まで。

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