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東北歴史博物館で特別展「神さま仏さまの復興」-修復された被災文化財展示

重要文化財の「薬師如来坐像」「二天立像」と「両脇侍菩薩立像」。双林寺(栗原市)所蔵

重要文化財の「薬師如来坐像」「二天立像」と「両脇侍菩薩立像」。双林寺(栗原市)所蔵

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 東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)特別展示室で11月16日、東日本大震災復興祈念特別展「神さま仏さまの復興-被災文化財の修復と継承-」が始まった。

高さ2.75メートルの「不動明王坐像」

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 東日本大震災で県内に所在する文化財も甚大な被害を受け、現在も修復事業が進められている。今回、「修復された姿を公開するとともに、文化財を修復することや未来へ引き継ぐ意義について考えていくこと」を目的に、神像や仏像に焦点を当てた同展を企画。「難しい・奥深いものと構えずに、神様仏様が治療を終え晴れて退院を迎えたことを一緒に喜んでいただければ」(同展担当者)。

 地震や津波の被害から救出され、修復や応急処置を済ませた約70点を展示。重要文化財指定の大徳寺(登米市)所蔵「不動明王坐像(ざぞう)」は10月に修復が完了したばかり。平安時代に制作された高さ2.75メートルの巨像で、秘仏のため普段は一般公開せず、寺外での公開は今回が初めて。分解した状態で発見され、救出された海津見神社(東松島市野蒜)所蔵の「毘沙門天(びしゃもんてん)立像」も展示する。

 会場内は2章で構成。第1章「ふるさとの美しい風景と人々のいとなみの記憶」では、1852年に仙台藩13代藩主・慶邦が仙台から沿岸部など領内を旅した際、同行の絵師が描いた絵巻を展示。第2章「大震災から復興を遂げる神さま仏さまのすがた」では、震災を乗り越えた「あかし」として神像・仏像を展示するほか、修復作業の意義や工程を写真パネルで紹介する。

 「これらの神像・仏像は長らく地域の心のよりどころであり、地域の歴史を背負った存在でもある。作られた当時から今日までの間には、さまざまな困難に直面しながらも積み重ねられた地域の歴史がある」と同担当者。「その歴史を振り返り、復興へと歩む地域にあらためてまなざしを向けていただく機会になれば」と期待を寄せる。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜(祝日は開館)、12月24日、29日~2014年1月4日休館。観覧料は500円(65歳以上=400円、高校生=200円、小・中学生=100円)。2014年1月13日まで。

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