特別展「塩竈・松島-歴史・ひと・美術-」が現在、東北歴史博物館(多賀城市)で開かれている。
古くから歌枕や名勝、聖地・霊場として知られてきた塩竈と松島の歴史的背景をたどり、そこで活躍した人や訪れた人にも焦点を当てながら、地域に残る文化資産を紹介する。約70点を展示し、4章で構成する。
同館では2008(平成20)年にも塩竈・松島をテーマにした展覧会を開いたが、当時は景観と信仰を中心に紹介した。展示を担当した同館上席主任研究員の塩田達也さんによると、今回は「観光地になる前の塩竈・松島」にも目を向け、信仰や供養、修行、人々の交流が積み重なって地域の歴史の厚みを形作ってきたことを伝える構成にしたという。
第1章は鹽竈(しおがま)神社所蔵の資料を中心に展開。鹽竈神社に伝わる国重要文化財の太刀「来国光」と「雲生」を同時展示する。第2章は、国重要文化財の瑞巌寺本堂障壁画「槲(かしわ)に鷹(たか)図」など瑞巌寺所蔵の資料が並ぶ。
第3章では、塩竈・松島を描いた絵画作品を展示する。中でも福岡市美術館所蔵の「塩竈松島図屏風(びょうぶ)」は福岡藩主・黒田家に伝来した作品で、同館での展示は3回目。画面の中に多くの人々が描かれ、にぎわいのある景観表現も特徴となっている。前期は左隻の「塩竈」を展示し、8月25日からの後期は右隻の「松島」に展示替えした。
第4章では、塩竈出身の絵師・小池曲江(きょっこう)を取り上げる。町医者を本職としながら塩竈・松島の風景画や花鳥画を手がけた人物で、作品を通して同展のテーマの一つである「ひと」に迫る。
塩田さんは「松島の雄島も、かつては板碑などが数多く立ち、修行の場であったり、人を供養する場であったりした。そうした信仰や人々の交流が積み重なって、今につながる歴史の厚みができている。その歴史的な背景を押さえてから美しい景色や作品を見てもらえると、理解がもっと進むのでは」と話す。
開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(9月21日は開館)。観覧料は、一般=1,400円、高校生以下=700円、未就学児無料。9月23日まで。