学ぶ・知る

「杜の都れんが下水洞窟」見学会が再開 「ゴールデンスランバー」ロケ地にも

「杜の都れんが下水洞窟」内部。大雨の時、雨で薄められた下水の一部が広瀬川に流れ出る水路

「杜の都れんが下水洞窟」内部。大雨の時、雨で薄められた下水の一部が広瀬川に流れ出る水路

  • 48

  •  

 仙台市建設局経営企画課が10月28日、コロナ禍で2020年3月から休止していた「杜(もり)の都れんが下水洞窟」の見学会を再開した。

れんが下水道の入り口

[広告]

 仙台市内には1900(明治33)年に築造されたれんが造りの下水道管が今も3カ所残り、現役で使われている。伊坂幸太郎さん原作、堺雅人さん主演で2010(平成22)年に公開された映画「ゴールデンスランバー」のロケ場所にもなり、同年、土木学会選奨土木遺産に認定された。

 市はそのうちの一つ、青葉区西公園C60広場(SL広場)近くの地下に埋設されているれんが下水道を、同広場の整備事業に併せ、見学施設「杜の都れんが下水洞窟」として整備。見学会は2016(平成28)年10月からほぼ毎月開き、休止前までに1800人以上が参加していた。

 見学会の所要時間は20~30分で、申し込み状況により1日最大4回行う。職員の案内の下、地上から8メートル下のれんが洞窟入り口まで降り、内部に入る。各所で職員がその歴史や構造、機能について説明。参加者にはマンホールカードを配布する。

 再開初日に参加した仙台の30代男性は「『ゴールデンスランバー』を見て興味を持ち申し込んだ。下水にはいろいろな種類があることなど、勉強になった」と話す。旅先でデザインマンホールの撮影をしたりマンホールカードを集めたりしているという50代女性は千葉からの参加。「仙台に来る用事があって、その日にちょうど見学会があることを知った。明治に造られたものが今でも使われているというのは、保守をする人たちの力のたまものだと思う」と感心した様子だった。

 市建設局経営企画課の戸﨑嗣也さんは「地下に隠れていて普段意識されることの少ない下水道がどういう役割を果たしているのか、実際に見て理解を深めてもらうことで、下水道の正しい利用の普及啓発にもつながれば」と期待を寄せる。

 年内は11月10日、12月2日に開く。以降の予定は決まり次第、市のウェブサイトで知らせる。事前予約制で、定員は各回6人、1日最大24人。申し込みは電話(TEL 022-214-8812)、みやぎ電子申請システム(開催日の7日前まで)で受け付ける。降雨時など、中止または見学範囲縮小の場合あり。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース