現役の酒蔵としては宮城県最古となる1661年創業の内ヶ崎酒造店(富谷市)が6月4日、父の日向けの限定醸造酒「鳳陽(ほうよう)だるま」を発売した。
商品のコンセプトについて、担当者は「新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言で外出が規制され、多くの人が家族にさえ直接会えない日々が続いた。全国的に宣言が解除されたことで、ようやく会える日が近づいている。父の日の贈り物として、離れた両親と会えた際に、会えない間に積もった話を、お酒を片手に家族で語り合ってもらえるように開発した」と話す。
今年2月にデビューした県の育成酒造好適米「吟のいろは」を使った純米吟醸酒。アルコール分は15度、精米歩合は50%。「リンゴとモモのようなフルーティーな香りと甘い麹の香りが特徴。甘さはあるが、すっきりとして飲みやすい味わい」に仕上げた。
「『STAY HOME』から『GO HOME』」と「大切な人の無事を祈り、大切な人や家族と一緒に杯を交わしてほしい」という思いから、瓶には青色が特徴の仙台の縁起物「松川だるま」をデザイン。だるまの顔のまわりには、大黒様をはじめ、繁栄や長寿を表す亀や鶴など、縁起のよいモチーフをあしらった。
担当者は「大切な人と一緒にだるまに『目入れ』をし、今年だけの特別な限定醸造の鳳陽だるまを味わっていただき、つらく大変な時期を乗り越えたこと、これからも無事に日々を過ごせることを願って乾杯していただければ」と呼び掛ける。
4合瓶(720ミリリットル)で、価格は2,500円(税別)。販売本数は120本。同社オンラインストアをはじめ、県内の酒販店および小売店で販売している。