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宮城の新たな酒米「吟のいろは」デビュー 20蔵の新酒、一斉に販売開始へ

県庁でお披露目された「吟のいろは」を使った20蔵の新酒

県庁でお披露目された「吟のいろは」を使った20蔵の新酒

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 新たな宮城県育成酒造好適米「吟のいろは(東北酒218号)」が2月19日、宮城県庁でお披露目された。22日の一般発売を前に、宮城県酒造組合の大沼充会長らが村井嘉浩知事を表敬訪問し、「吟のいろは」を使った新酒をお披露目した。

表敬訪問に訪れた大沼会長ら

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 酒造りの現場では多様な香味の日本酒を造るため、宮城の風土に適した新たな品種を要望していた。それを受けて古川農業試験場が2014(平成26)年から、産業技術総合センター、県酒造組合などと共に新たな酒造好適米の育成と醸造に取り組んできた。県産酒米の誕生は1997(平成9)年にデビューした「蔵の華」以来、約20年ぶり。

 「吟のいろは」は、宮城県の多収性品種「東北189号(げんきまる)」を母に、山形県の酒造好適米「出羽の里」を父として交配し、選抜・固定した品種。2019年は大崎市松山地区の約7ヘクタールで作付けし、約600俵を生産した。

 「蔵の華」と比べて栽培しやすいことに加え、麹造りに望ましい「心白(しんぱく)」が大きく出るのが特長。「蔵の華」で醸造した日本酒が淡麗ですっきりとした味わいとなるのに対し、「吟のいろは」は味わいに膨らみのあるやわらかな酒質になるという。名称は、「吟味」「吟醸」の「吟」と、「基本」という意味に加えて伊達政宗公の長女・五郎八(いろは)姫から付けた。

 当日は、組合に加盟する25社のうち20社が吟のいろはを使って醸造した新酒がお披露目された。大沼さんは「待ちに待ったお米だったので、うれしいの一言に尽きる。宮城は食材王国として全国に発信しているので、その一翼を担う私たちのお酒も宮城のお米でお出ししたいと考えていた。きれいな味のお酒になる『蔵の華』と、深みのあるお酒ができる『吟のいろは』を両方の羽にして、全国の皆さんに楽しんでいただきたい」と熱を込める。

 22日・23日には「藤崎」(仙台市青葉区一番町3、TEL 022-261-5111)本館前で開く試飲即売会「宮城の純米新酒初蔵出し」で、デビューを記念したイベントを行う。吟のいろはを使った20銘柄を販売する予定。大沼さんは「お米は同じだが、使っている酵母や会社の技術でそれぞれ味が違う。2~3本買っていただいて、味の違いを楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。開催時間は10時~18時(売り切れ次第終了)。

 22日からは県内の酒小売店などでも販売する。

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