仙台市青葉区の晩翠通沿いにある雑貨店「メリーメリークリスマスランド ディア」(春日町、TEL 022-264-3010)が12月27日、閉店する。
仙台で10年間にわたって開いていた展示即売会「メリーメリークリスマスランド」を前身として2004(平成16)年、サンモール一番町商店街にあった「ボンボン会館」内に「メリーズセレクション」としてオープンした。2005(平成17)年に春日町へ移転し、2010(平成22)年には店舗隣にレンタルスペース「メリラボ」を開設したが、東日本大震災の影響で店舗入っていた建物の取り壊しが決まり、2011(平成23)年10月に現在の場所へ移転。「メリーメリークリスマスランド ディア」と店名を変更し、メリラボを店内に併設してオープンした。
こけしやずんだなど「かわいい仙台」をテーマにしたオリジナル雑貨や作家作品を販売し、地元客や観光客などに人気を集めた。メリラボは「小さな催事場」として、販売会や作品展、ワークショップなどで県内外の作家や学生に利用された。
3、4年前からネット販売やイベント出店などを通して、常設店の意味を問い直していたという店主でイラストレーターの泉友子さん。「ハンドメード作家さんの作品を置く店は、18年前は珍しい方だったと思うが、今は普通になって、マルシェイベントもたくさんある。店のオリジナル雑貨だけで勝負したい、メーカーへの道を進みたいという思いもあった」と今年秋に閉店を決意した。
今後は常設店を持たず、ネットや自動販売機、イベントを中心にオリジナル雑貨の販売を行っていく。泉さんの元には常連客やメリラボを利用してきた作家から閉店を惜しむ声が多く寄せられているという。
「あっという間に感じるが、やり切ったと思える18年半だった。お客さまやメリラボを使っていただいた方に感謝しかない。自分がいろんなギャラリーを使ってきて、こうだったらいいなというものを詰めたつもりだったが、使ってくださる皆さんの作品とアイデアで空間がすごく変わることに毎回驚き、どうなるんだろうとワクワクしながら見ていた。その面白さをずっとそばで見られたことが私の糧になっている」と泉さん。「店名のクリスマスの時季に終われて良かった。皆さんとこの場所を通して、時間を共有できたことが幸せ」とほほ笑む。