仙台市が、食品の廃棄を避けるため早めに商品を売りたい市内事業者と消費者をつなぐマッチングサービス「ワケルくんもったいないマルシェ」の運用を始めて2カ月がたつ。
事業系食品ロスの削減を目的に市が10月13日に始めた。飲食店や小売店など食品を扱う店が、「賞味・消費期限が近い」「商品の入れ替えのために在庫を整理したい」「注文予約がキャンセルになった」などの理由から、廃棄を避けるために短期間で売り切りたい食品を専用ウェブサイト「タベスケ」に出品。利用客は出品された商品を予約し、店舗で購入する。登録店は食品ロス削減と売り上げ向上につながり、消費者は食品ロス削減に貢献しつつ、定価より安価に商品を購入できる。
市環境局廃棄物事業部事業ごみ減量課によると、12月7日現在の登録店は、ホテルや飲食店、パン店や菓子店など19店。ユーザー数は4900人以上。取引が成立した件数は約380件で、食品ロス削減量は約500キロ。ユーザーからは「お得に買い物ができるのはうれしい」、登録しているパン店の店主からは「パンは賞味期限が短く、当日中に売り切らなければならないため、ありがたいサービスだ」という声があり、サービスをきっかけに新規客が増えた店もあるという。
同課職員は「家庭で利用し切れない食品の『フードドライブ』など、市ではこれまでも食品ロス削減の取り組みを進めてきた。事業系食品ロスも家庭と同程度の量が発生している現状があり、その抑制には事業者の協力が不可欠。さらなる食品ロス削減に、身近にできるSDGsの取り組みとして、事業者の皆さま、市民の皆さまに利用してもらえれば」と話す。
出品者、利用客とも登録無料。