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仙台文学館で椎名誠さんの特別展 写真など200点で国内外の旅の軌跡たどる

「五つの旅の物語」より「ロシアの極北狩猟民族イーゴリさんと犬の話」

「五つの旅の物語」より「ロシアの極北狩猟民族イーゴリさんと犬の話」

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 作家・椎名誠さんの「旅」をテーマにした特別展「椎名誠 旅する文学館」が現在、仙台文学館(仙台市青葉区北根2、TEL 022-271-3020)3階企画展示室で開かれている。

椎名さんが「旅から持ちかえったモノ」たち

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 1944(昭和19)年東京都生まれの椎名さんは、会社員を経て1979(昭和54)年にエッセー集「さらば国分寺書店のオババ」でデビューし、「昭和軽薄体」と呼ばれる独特の文体でエッセーや国内外の旅行記、私小説、SF小説など幅広いジャンルの作品を発表。1988(昭和63)年に「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990(平成2)年に「アド・バード」で日本SF大賞を受賞した。約300冊に上る著作の中でも「旅」をテーマにした作品群は椎名さんの代名詞。国内外に足を運び、各所の風土や人々の暮らしを体当たりで取材し、旅行記などにまとめている。

 同展では、椎名さんの旅の軌跡をたどりながら、旅行記の一節(文章)を写真と共に展示し、「椎名作品の魅力と旅の醍醐味(だいごみ)」を伝える。椎名さんが旅先で「買う、もらう、作る、拾う」などして手に入れた品々のほか、椎名さんと共に世界を巡ったテントや靴も並べる。自筆の原稿や取材ノート、学生時代の日記、若い頃に制作した雑誌、日本SF大賞のトロフィー、愛用のワープロなども含め、計約200点を紹介する。

 同館学芸員の本多真紀さんは「新型コロナウイルス禍でなかなか旅行に出かけられない状況が続いている中で、『旅』をテーマにした展示ができないかと考えていたところ、数々の旅行記で知られる椎名さんのお名前が浮かんだ。椎名さんの旅にまつわる文章を通して、旅の楽しさや醍醐味、世界の広さをあらためて感じてもらえれば」と話す。

 会場には、椎名さんの全著書約300冊を自由に読むことができるコーナーも設置。「旅のはなし、旅の思い出」「あやしい探検隊シリーズ」「赤マントシリーズ」「小説-超常小説」「小説-私小説、あるいは わが人生」などジャンル別に並べ、椎名さんによるコメントも添える。

 本多さんは「椎名作品に登場する仙台・宮城でのエピソードもパネルで紹介している。そのような身近な話題から世界の秘境といわれるような土地まで、椎名さんの多彩な旅とその作品の魅力を感じてもらい、ご自身も次の旅のイメージを膨らませていただければ」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。観覧料は、一般=810円、高校生=460円、小・中学生=230円。月曜、6月23日休館。6月26日まで。

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