仙台七夕まつり協賛会(仙台市青葉区本町2)が現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止となった「仙台七夕まつり」の代替事業を行っている。
仙台藩祖伊達政宗公の時代から続く伝統行事として受け継がれ、東北三大祭りの一つとして知られる仙台七夕まつり。例年8月6日~8日に行われ、仙台市民や観光客など200万人以上が訪れる夏の風物詩となっている。
主催する仙台七夕まつり協賛会は「新型コロナウイルスの感染拡大が強く懸念されると共に今後の見通しも不透明な中で、250万人もの大勢の観客を安全安心な形でお迎えすることは、準備を含めてとても難しい。何よりも人命及び来場者の安全を優先するべき」との判断から、今年の開催中止を決定した。仙台七夕まつりが中止になるのは戦後初めて。
「仙台七夕まつりを途絶えさせてはいけない」という思いから代替事業を企画した。同協会の担当者は「仙台の伝統的な行事であり地域文化である七夕行事を次世代へ伝えていかなければならない。七夕まつりは元来『願い』『祈り』の祭りであることから、今年は七夕行事を次世代へ継承するための取り組みを行うと共に、商店街を訪れた市民の皆さまが七夕の雰囲気を感じられるような機会を創出することなどを通じて、次年度の開催に向けた機運醸成を図りたい」と話す。
事業の一つとして「WEB短冊サイト」を開設した。3種類の短冊デザインから1種類を選び、記入フォームに願い事を書きオリジナル短冊を作成。画像としてダウンロードできるほか、「エントリー/奉納」ボタンでエントリーすると実際の短冊に印刷され大崎八幡宮(青葉区八幡)に奉納される。8月8日まで。
8月6日~8日には、仙台中心部・周辺部の28商店街の店頭や店の軒下に、例年より小さめの七夕飾りや吹き流しを掲出する。期間は商店街により異なる。
JR仙台駅や仙台市中心部の大型施設では現在、例年より小さな七夕飾りや吹き流しを掲出している。仙台駅前の仙台パルコでは7月27日から、本館の入り口3カ所、パルコ2の入り口2カ所に吹き流しを設置。同店広報担当者は「仙台七夕まつりは中止になったが、仙台の夏の風物詩として、吹き流しとその雰囲気を楽しんでいただきたいと思い、飾らせていただいた」と話す。
仙台駅前を歩いていた市内在住の40代女性は「仙台の夏の風物詩なので、毎年見に行くのを楽しみにしていた。今年は中止になってしまって残念だが、最善の判断だと思う。今は小さな吹き流しがいろいろなお店でも飾られているので、七夕気分が味わえてうれしい」とほほ笑み、「来年はみんなが安心して楽しめる仙台七夕まつりが開かれれば」と七夕飾りに願いを込めていた。