昨年3月に開業した「仙台空港アクセス鉄道」の車両が、性能・デザイン・運用などで優れた新型車両に贈られる「ローレル賞」に選ばれ、11月7日にJR仙台駅ホームで授賞式が行われた。
ローレル賞を受賞したE721系と出発を合図する西條清和JR仙台駅長
同賞は鉄道友の会(東京都千代田区)が1961年に制定。前年中に営業運転に就いた新型車両を対象に、同会員による選考委員会が毎年審査を行う。今年は仙台空港鉄道が所有する「SAT721系」と東日本旅客鉄道の所有する「E721系」ほか1車両が選出された。両車両は「前例にとらわれない発想の転換を伴う地域利用者本位の設計コンセプト」「さまざまな工夫と機器の小型化による低床電車の実現」「首都圏レベルの輸送サービスの地域展開」などが評価されたという。
式典では同会の須田寛会長があいさつし、表彰状と記念の楯を贈呈。東日本旅客鉄道の田浦芳孝仙台支社長や仙台空港鉄道の齋藤進社長らによるテープカットとくす玉の開花が行われ、西條清和JR仙台駅長の出発合図でE721系が発車。関係者や詰めかけた一般客らが見送った。
仙台空港鉄道の齋藤社長は「日常の利用具合を見ると、体の不自由な方や高齢者の方々のご利用が増えている。低床車両をはじめ、機能的に高度な技術の水準を尽くしていただいたこの車両であればこその効果だと考えている。賞をいただいたこの車両を地域の皆さまや利用者の皆さまにかわいがってもらいながら、今後とも一層の努力で発展させていきたい」と話した。