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晩翠画廊で画家菅野麻衣子さん個展 絵馬など民間伝承に影響受けた作品展示

壁に展示した「100EMA」と菅野さん

壁に展示した「100EMA」と菅野さん

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 宮城県出身の画家菅野麻衣子さんの個展「まじないの森」が11月28日から、仙台市青葉区の晩翠画廊(国分町1、TEL 022-713-6230)で開かれている。

一枚一枚にタイトルが付けられている「100EMA」

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 宮城野高、東北生活文化大卒の菅野さん。少女をモチーフにしたアクリル画や鉛筆画の作品を手がけ、仙台のほか東京、大阪で個展を開催し、海外のアートフェアやグループ展の参加歴もある。仙台市交通局のIC乗車券「icsca(イクスカ)」のカードデザインにイラストが採用されていることでも知られる。

 2021年に仙台から岩手県遠野市に拠点を移し、それまでも創作にインスピレーションを得ていた「遠野物語」など民間伝承からの影響が色濃くなったという。「何となく自分が面白いと思っていたもの、興味があったものが、民俗学や文化人類学の分野だったんだとはっきり分かって、意欲的に創作に取り組めている」と話す。今回の個展では、移住後に手がけた絵画作品約20点のほか、100枚の絵馬を描いた「100EMA」の作品を展示する。

 「100EMA」について、「自分を遠野の世界にどっぷりと浸らせるために自ら課した課題というか、修行のように描けば何か見えてくるかもしれないと思った」と菅野さん。絵馬の文化や歴史を調べ、「願い」のほか「戒め」や「魔よけ」「コミュニケーション」といった、媒体としての機能や込められた思いに理解を深め、今年2月ごろから創作を始めた。

 先行して5月から6月にかけて盛岡で展示した作品はほぼ完売し、会場にはその後制作したものを中心に78枚が並ぶ。50枚目は自らを鼓舞しようと描いた「全速力」、100枚目は何も描かれていない「未題」。「完成したら後は崩壊だよと、ある学芸員の方から言われて、自分でもこれで完成したと思ったら良くないかなと感じた。未完成だからこそ、その先があるのかなと」。絵馬(各2万8,600円)ほか展示作品は販売するが、この「未題」のみ非売品。

 「100EMA」の制作を終えて、菅野さんは「構図や組み立てなど、どうしてもいろいろなことを考えながら描いている普段の作品と違って、自分が感じたことをカラーのスケッチのような感覚でそのまま素直に描くことができた。この経験が、これからの創作の助けになってくれるかもしれない」と笑顔を見せる。

 開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。12月10日まで(4日は休み)。3日、9日、10日は菅野さんが在廊する。

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