宮城県、福島県、第三セクター鉄道会社「阿武隈急行」(福島県伊達市)が7月30日、ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクター「ラプラス」と「ラッキー」をデザインしたラッピング車両「阿武急 ラプラス&ラッキートレイン」の運行を始める。
槻木駅で「阿武急 ラプラス&ラッキートレイン」を見送る子どもたち
ポケモン(東京都港区)の協力を得て企画したラッピング車両。春休みに合わせて3月20日の運行開始を予定していたが、3月16日に発生した福島県沖地震の影響で運行時期を延期していた。
車両はAB900系で、ブルーとピンクの2両編成。ブルーの車両には「みやぎ応援ポケモン」のラプラスと仙台七夕まつりをイメージした吹き流し、ピンクの車両には「ふくしま応援ポケモン」のラッキーと桃やリンゴなどのフルーツや桜をあしらった。車内は、ラプラスやラッキーと宮城・福島の観光スポットやポケモンマンホールスポット、コラボグッズなどを紹介するポスターで装飾する。
ラッピング車両の運行に伴い、槻木駅・角田駅・丸森駅・梁川駅・保原駅・福島駅に記念撮影用の顔出しパネルを設置するほか、槻木駅と福島駅にはラプラスとラッキーをデザインした案内看板の装飾も行う。
24日にはJR仙台駅で出発式が行われ、集まった鉄道ファンやポケモンファンにラッピング車両が披露された。阿武隈急行の菅原久吉社長は「さまざまな表情をしたラプラスとラッキーが地元観光地や特産品と共に、ブルーとピンクに彩られ、今にも飛び出しそうなワクワク感満載のポケモン列車に仕上がった。沿線地域の皆さまと共に喜びたい」とあいさつ。「阿武隈急行にとって、台風災害、新型コロナウイルス、そして地震災害と、大変厳しい事業環境が続く中でのポケモン列車の誕生。ポケモンの知名度をお借りし、両県や沿線自治体と連携をしながら、県内外からの誘客に積極的に取り組んでいきたい」と意気込む。
遠藤信哉宮城県副知事は「2つの県が連携し、推しポケモンが描かれた車両が運行されるのは全国でも初めて。沿線自治体の角田市や柴田町、丸森町と連携してさまざまな周辺企画も実施に向けて調整している。阿武隈急行のさらなる利用促進と全国からの観光誘客に大きく寄与するものとなれば」と期待を寄せる。
運行日は7月30日~8月21日の全日、8月27日~9月25日の土曜・日曜・祝日。槻木駅(柴田町)~福島駅(福島市)間で1日上下計8本を運行する。9月26日以降の運行は日によって異なり、阿武隈急行公式サイトで知らせる。