仙台牛たんや味付け食肉の加工・卸販売会社「バリューライフ」(仙台市若林区鶴代町)が現在、仙台市内に牛たん・焼き肉の自動販売機を展開している。
2018(平成30)年から泉区長命ヶ丘で「牛たん居酒屋 和顔(わげん)」の運営している同社。2020年初めに仙台駅付近で2号店出店を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で断念。1号店も長期休業に追い込まれた。
今年6月に改正食品衛生法が施行され、包装食肉の販売が営業許可制度から営業届出制度に変わったこともあり、同社では「何とか和顔の人気商品をお届けしたい」と、冷凍自動販売機「ど冷(ひ)えもん」を導入。冷凍牛たん、冷凍焼き肉の販売に踏み切った。社長の付偉さんは「自動販売機であれば、コロナ禍の中でも非接触で、安心して商品を購入もらえる。当社にとってもBtoCの販売手段が一気に増えるというメリットがあり、一石二鳥の効果となると考えた」と話す。
ラインアップは、「牛たん切り落とし塩檸檬(れもん)味(240グラム)」「牛たん切り落としねぎ塩味(240グラム)」「牛ホルモンねぎ塩味(260グラム)」「牛ホルモンコチュジャン味(260グラム)」「牛ハラミ塩(220グラム)」「牛ハラミ焼肉檸檬味(220グラム)」「牛たん鍋こくうま山椒(さんしょう)味(230グラム)」「牛たん鍋こくうまラー油味(230グラム)」(以上500円)、「極芯牛たんうま塩(125グラム)」「極芯牛たんうま味噌(みそ)(125グラム)」(以上1,000円)の10商品。
商品は、自社でスライス加工した肉をオリジナルのたれで味付け。子どもから年配者まで食べやすく、酒のつまみに合う味付けに仕上げたという。「自社製造・直売をしているためワンコインでの販売が実現できた」と付さん。
7月12日に宮城野区出花の1号機で販売を開始。1カ月間に、出花、泉区長命ヶ丘、若林区卸町、鶴代町、太白区鈎取付近の5カ所に6台を展開している。
同社によると、予測の約2倍の売り上げがあり、17時以降から夜にかけての販売が売り上げの多くを占めているという。付さんは「珍しい自動販売機としての話題性から興味本位で購入する方が多いかと考えていたが、設置後1カ月経っても売り上げは安定しているので、リピーターの方も多いようだ」と喜ぶ。「人気商品はすぐ売り切れになってしまうので、頻繁に補充をしている」とも。
今後、宮城野区福田町や塩釜市などへの設置も予定し、仙台市内を中心に100台以上の設置を目標にしているという。