塩釜市が現在、市内のレトロスポットで「竈(かま・かまど)」の書き順を指南する「竈札(かまどふだ)」を配布している。
デザインが公開されている4種類のカードと竈の字の書き順を記す裏面
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が国内上映映画の歴代興行収入1位を記録し、社会現象をもたらしている漫画「鬼滅の刃」の主人公、竈門炭治郎(かまどたんじろう)の名字にもある「竈」の字を使う塩竈(釜)市。映画公開後、20年以上前から市のホームページで紹介している「『竈』の字について」へのアクセスが急増している。市ではこのことをきっかけに塩釜を知り、訪れる人に「記念の印を差し上げ、『竈』の字の書き順を覚えていただき、まち歩きを楽しんでいただきたい」と、12月1日に市内のレトロスポットで竈札の配布を始めた。
カードは5種類で、うち4種類は「旧ゑびや旅館」「杉村惇美術館」「鹽竈(しおがま)神社博物館」「旧亀井邸」で配布する。春と秋に志波彦神社・鹽竈神社境内や周辺で開催されている「しおがまさま神々の花灯(あか)り・月灯り」の歴代の広告を基に、各施設の特徴を表したイラストを表面にあしらう。残る1種類はデザイン非公開のシークレットカードで、市内3カ所で配布。裏面はいずれも竈の字の書き順を記す。
1種類当たり4000枚を用意し、配布開始から1カ月足らずでそれぞれ半数以上を配布したという。「週末には家族連れや友人と一緒に回る若い方が多く見受けられるほか、県外のお孫さんから頼まれた年配の方が集めているという話も伺っている。コスプレをして訪れるお子さんもいるなど、皆さま楽しみながらカード集めをしていただいているようだ」と市の担当者。
配布は1人1枚。配布時間や休館日は施設により異なる。まち歩きや授与時には、マスク着用やせきエチケット、手洗い、手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保など、新型コロナウイルス感染予防の協力を求める。カードを2種類以上集めた先着3000人に鹽竈神社拝殿前の授与所で「御神塩(ごしんえん)」を進呈する。