劇場版アニメの興行収入が200億円を超えるなど社会現象化している漫画「鬼滅の刃」の影響で、塩釜市がホームページで紹介している「『竈(かま)』の字について」の閲覧者が増加している。
塩釜市は「塩竈」と「塩釜」の両方を使うことが認められており、役所での公用文には「竈」の字を使うことになっている。「竈」は21画で書き方も難しいことから、市では「字画が多い『竈』の字を広く市民の皆さんに知っていただきたい」と、20年以上前から市のホームページに「竈」の字の書き方を掲載。併せて、「地名の由来」「塩竈か塩釜か」「市の名前をめぐる市民アンケート」も紹介している。
今年4月の同ページへの平均アクセス数は1日13件だったが、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が公開された10月中旬からアクセスが急増。200件を超える日もあり、平均アクセス数は1日90件となった。
市政策課市政情報係係長の川口正隆さんは「『鬼滅の刃』の映画が公開後、ツイッターなどで話題にしていただいたことが理由だと思う。主人公・竈門炭治郎の『竈』は『塩竈市』と同じ漢字であることや、以前から市のホームページで書き順を紹介したり市役所で書き順を配布したりしていることを、一般の方にツイートしていただいたことでアクセス数が増加したのでは」と分析する。
「竈という字を通して本市を知っていただくきっかけになれば」と川口さん。「市内には『鬼滅の刃』と同じ大正時代の建築物があるので、そういった魅力も多くの方に知っていただければ」と期待を寄せる。
市民安全課の窓口では転入者などに向け、「竈の正しい書き方」を記した紙を配布。市のフェイスブックでは現在、3種類ある「しおがま」の表記を「壱の型『塩釜』」「弐の型『塩竃』」「参の型『鹽竈』」と紹介している。