「仙台伊澤家 勝山酒造」(仙台市泉区福岡字二又)が5月18日、疫病封じの妖怪「アマビエ・アマビコ」をラベルにあしらった日本酒「勝山 純米吟醸 疫病退散ラベル」の販売を始めた。
新型コロナウイルスの感染予防に酒造メーカーが消毒用高濃度アルコール製品を相次いで製造する中、「当社は蒸留機を有しておらず、純米蔵のため高濃度の醸造用アルコールもなく消毒用の製品が作れない。別の形で貢献できないかと考えた」と蔵元の伊澤平藏さんは話す。疫病退散のご利益があるとされ話題になっていたアマビエ・アマビコの存在を知り、新型コロナ終息を願い企画。アマビエ・アマビコを描いた疫病退散御朱印の授与を行っている二柱神社(市名坂西裏)の宮司に相談し、賛同を得て販売にこぎ着けた。
ラベルには、社員が描いたアマビエ・アマビコのイラストと「疫病退散」の文字をデザイン。二柱神社で祈とうしたものを瓶に貼り付ける。アルコール分は16度、精米歩合は50%。飲用推奨温度は8度~20度。「勝山らしいコメの旨(うま)味と上品な香りを感じる旨口系の酒で、味のバランスが良く、前菜や淡泊なお魚料理、刺し身などに合う食中酒」と伊澤さん。
500本ほどの販売を予定していたが、オンラインショップで予想以上に全国各地から反響があったことから追加販売を決めた。「疫病退散を願う多くの人々の気持ちをアマビエ・アマビコに象徴させることで皆さまの気持ちを支える一助になれれば。日本酒は百薬の長でもあるのでお神酒として飲んでもらうことで、気持ちを明るく楽しく安らかにし、ストレスを減じることができれば」と話す。
価格は720ミリリットル入り=1,500円(税別)。販売はコロナ終息までの期間限定。県内の酒販店のほか、同社オンラインショップで販売している。