「せんだい農業園芸センター みどりの杜(もり)」(仙台市若林区荒井字切新田)梅園で現在、呼び物の「臥龍梅(がりゅうばい)」が満開となっている。
白梅や紅梅など色も形もさまざまな約60種・125本の梅を栽培する同園。「臥龍梅」は、仙台藩主伊達政宗公が1593年征韓の役に出陣した際に朝鮮から持ち帰り、若林城(現在の宮城刑務所)に移植したと伝わる梅の木の2世で、梅園の中でも特に親しまれている。
梅の開花は昨年より1週ほど遅い1月13日に初めて確認された後、暖冬の影響で開花が加速。現在では全体の8割程度が開き、うち4割ほどが見頃となっている。特に臥龍梅は「例年、今ごろ1輪目の開花なのに対し、今年はここ2~3日で開花がぐっと進み、すでに満開」と広報担当者。
新型コロナウイルスの影響による来園者の減少が心配されたが、むしろ昨年の同時期と比べて平日は2倍ほど、土曜・日曜は2~3割ほど多く、暖かな日差しの中で散策を楽しんだり、梅を写真に収めたりしている姿が見られる。担当者は「無料で入れる公園施設で風通しも良い立地のためか、来園者が増加傾向にあり、想定外の出来事」と驚きを隠さない。
3月20日~29日は毎年恒例の「梅を観(み)る会」を開く。催し物は一部延期または中止。「梅の花の咲き進みが早く、会が始まる20日ごろには見頃のピークを迎えそう」と同担当者。「梅園には多くの品種の梅があり、それぞれ違った開花時期と花色を楽しめる。梅のもう一つの特徴でもある香りも楽しんでほしい。春の訪れを感じていただければ」と来園を呼び掛ける。
梅園の開園時間は9時~17時。月曜定休(祝日の場合は翌日)。入場無料。