日本IBM(東京都中央区)が6月14日、仙台市に「IBM 仙台市クライアント・イノベーション・センター」を開設すると発表した。
企業のITインフラの構築と運用を担うグローバル・テクノロジー・サービス(GTS)事業の拠点となる同センター。ITインフラのシステム変更、トラブル解決、運用改善など、運用や保守のサービスを遠隔で全国に提供する。国内では4カ所目となり、東北への立地は今回が初めて。場所は仙台駅東口を予定し、今年12月の開設を目指す。
同社では「センターに集約してサービスを提供するため、必要に応じてIT技術者の要員を柔軟に配置できること、ITスキルを共有できること、スキル向上を図りやすいこと、運用プロセスの標準化や共通化によってサービスの品質が向上することなどが特長。これにより、高度で効率的なサービスの提供を目指す」としている。
同日、仙台市役所で行われた立地表明式には、同社GTS事業本部長のヴィヴェック・マハジャン専務執行役員、奥山恵美子仙台市長、伊藤敬幹副市長が出席した。
仙台への開設について、「東京への近さ、東北からの人材確保の期待が持てること、市からの強力なサポートを頂いたことが大きな理由」とマハジャン専務執行役員。同センターには5年間で約100億円を投資し、IT技術者の地元雇用にも力を入れていくという。
現在、街の活力の源泉となる人材の定着・確保に向けて、多様な雇用の場創出を目指し、IT産業などの誘致を積極的に進めている仙台市。奥山市長は「高いレベルのマンパワーを必要とする企業に来ていただいた。これまで首都圏に流れがちだった力が少しでも地元にとどまる要素となって、ここから東北・日本・世界ヘと発信していくような好循環が生まれればうれしい」と期待を寄せる。