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メディアテークで写真家・志賀理江子さんの大規模個展-北釜での243点

大小243点の作品をらせん状に配置。決められた順路はなく、志賀さんの言葉と図を頼りに場内を巡る

大小243点の作品をらせん状に配置。決められた順路はなく、志賀さんの言葉と図を頼りに場内を巡る

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 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)6階・ギャラリー4200で11月7日、県内在住の写真家・志賀理江子さんの個展「螺旋海岸」が始まった。

受付で配布される会場の図

 志賀さんは1980(昭和55)年愛知県生まれ。2007年に発表した写真集「Lilly」「CANARY」で第33回木村伊兵衛写真賞を受賞。2009年にはICPインフィニティアワード新人賞、2012年に第28回東川賞新人作家賞を受賞するなど、国内外で高い評価を受ける。

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 2006年に同施設で行われた企画展への参加で宮城を初めて訪れ、2008年から名取市の北釜地区(以下、北釜)に移り住んだ志賀さん。以後、地域専属カメラマンとしてコミュニティーに溶け込みながら、その土地で培われてきた個々人のオーラルヒストリー(口述史)に耳を傾け、その経験を取り入れた作品制作に取り組んできた。

 今回の展示は、志賀さんにとって初めての大規模な個展。1000平方メートル超の会場内に、北釜に移り住んだ2008年から震災を経た今年までに制作した243点の作品を展示。「志賀さんの作品は実際に風景を切り取るという手法ではなく、あくまでも彼女のイメージの中にあるものを外に表すために写真という技法を使っている。今回の展示も日々の生活を切り取ったものではなく、北釜の土地と一体化し、あらゆる物語を表現したもの」(同施設企画・活動支援室担当者)

 作品は壁面を使わず、自立した形でらせん状に配置。来場者は作品が置かれた床に書かれた番号と受付で配布される「作家の言葉と図」を参考に会場を巡り、それぞれの作品を読み解いていく。

 「震災で想像力を超えることが実際に起きている様子を目の当たりにして、多くの表現者は悩み、良くも悪くも自分の活動を顧みる機会になった。そういう時、まさに仙台空港近くに住んでいて、当事者として震災を経験した志賀さんが、依然として自分自身を信じて表現を続けている」と同担当者。「震災を受け入れ、立ち向かっていく意思を感じる。東北にお住まいの方にはぜひご覧いただき、志賀さんの表現への信念、イメージすること・想像することの力強さや価値を読み取ってもらえれば」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~19時(12月は20時まで)。入場料は100円(高校生以下無料)。2013年1月14日まで。休館日は11月22日と12月29日~2013年1月4日。

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