東日本大震災が発生した2011年、仙台経済新聞でも震災関連の記事が多く読まれた。最も多くのPV(ページビュー)を集めたのは、震災の影響で開業が3カ月遅れた仙台駅前の商業施設「EDEN(エデン)」の概要を報じた記事だった。
今年1月1日から12月27日までに配信したヘッドラインニュースの中で、PVの多かった記事上位10本は以下の通り。(カッコ内は掲載日)
1. 旧仙台ホテル跡に複合商業施設「エデン」-「伝説のすた丼屋」など16店舗(6/10)
2. JR東日本、復興支援商品を販売-「やまびこ」仙台・東京間が5,000円(5/11)
3. JR東日本、路線の復旧状況を発表-3月中に運転再開の区間も(3/23)
4. 仙台パルコに「スイーツパラダイス」-全店舗中最多メニューで東北初出店(7/11)
5. 三陸のカキ養殖を支援するプロジェクト-1口1万円でオーナーに(4/5)
6. 仙台駅前、商業ビルの営業再開でにぎわい取り戻す-構内も一部利用可能に(3/28)
7. 仙台空港、復旧に向け重点的に排水作業進む-ポンプ車20台フル稼働(3/23)
8. 仙台・富沢にベークドチーズケーキ専門店-口コミで客層広げる(1/17)
9. 仙台・泉に「イケア」ミニショップ出店へ-震災復興と生活支援を目的に(9/8)
10. 仙台に昭和スタイルのナポリタン専門店-老舗ハンバーグ店が新業態(8/18)
鉄道路線や空港の復旧状況、仙台駅前の店舗の営業再開を報じる記事が3位、6位、7位に入った。震災後の約1カ月間は「東北本線 復旧」「仙石線 復旧」「仙台空港 復旧」という検索ワードが群を抜いて多く、利用者や支援者が日々状況を確認していた様子がうかがえる。
その後注目を集めるようになったのは、復興支援に関するさまざまな取り組み。2位には仙台・東京間の新幹線上り片道が5,000円で利用できるJRの商品、5位には一口1万円のオーナー制度で三陸のカキ養殖を支援するプロジェクト「セーブ サンリク オイスター」、14位には東北6県の夏祭りが仙台で競演した「東北六魂祭」も。
下半期に入ると、仙台市内では商業施設の開業が相次いだ。7月22日には1位の「エデン」のほかに「仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール」、9月には「イケア 仙台ミニショップ」(9位)、12月には「ポケモンセンタートウホク」、「ディズニーストア」新コンセプトストアがオープン。ランキングにもスイーツ食べ放題の店「スイーツパラダイス」(4位)、ナポリタン専門店「東京ナポリタンマルハチ」(10位)が入り、にぎわいを取り戻していく街の様子が反映されている。
そうした新店記事がPVを伸ばす一方、復興に関する記事への関心低下も数字に表れた。仙台経済新聞では来年も街の元気な姿を届けるとともに、復興に向けた市民の取り組みをつぶさに拾い上げ、継続的な支援へのきっかけを作っていきたい。