仙台空港鉄道(名取市)は7月23日、東日本大震災の影響で運休していた仙台空港アクセス線を一部区間で運転再開する。
2007年3月に開通した同線。快速17分・各駅停車24分で仙台駅と仙台空港を結び、1日上下線80本(40往復)を運行。1日平均6400人・年間約230万人が利用していた。
東日本大震災で名取駅~仙台空港駅間は線路の冠水、路盤コンクリートの破損、防音壁傾斜、駅構内の照明設備破損・落下・電車線垂下など大きな被害を受けた。運輸管理所にも土砂が流入。運輸指令、通信指令等の主要施設は壊滅的な状態となった。
しかしその後、「一日も早い運行再開に向けて全力で取り組んできた」という同社。「比較的被害の少なかった区間の復旧工事を最優先に進めることで、全線運行再開までの暫定的な措置として一部区間の再開にこぎ着けた」(同社広報担当者)という。
運転再開区間はJR仙台駅~美田園駅間で、各駅停車21分・1日上下線56本(28往復)を運行。震災時に仙台空港駅で停車していた車両4両が運用できないため、通常ダイヤの70%の運転率となる。美田園駅~仙台空港駅間は引き続き代行バス(1日33往復・所要時間約10分)を運行する。
全線復旧は9月末を予定。同担当者は「大変多くの応援の声を頂き、復旧へ向けての励みになっている。一部区間のみの暫定開業となりご利用の皆さまにはご不便をお掛けしてしまうが、全力を挙げてトンネル部分や駅舎設備の復旧工事に取り組んでいるので、引き続きご支援いただければ」と呼び掛ける。