仙台市役所(仙台市青葉区国分町3)で2月19日、第1回「仙台シネマ」の認定式が行われ、県内で4月先行公開予定の映画「重力ピエロ」に認定証が授与された。
今回、仙台市が新設した「仙台シネマ」認定制度は、仙台にゆかりのある題材をテーマにした作品や仙台を舞台にした映画、市内でロケを行った作品の中から、特に観光振興やシティーセールスへの貢献が期待される新作映画を認定し、表彰するもの。
第1回認定作品には、伊坂幸太郎さん原作の同名小説を宮城・仙台ロケで制作した「重力ピエロ」が選ばれた。作中には東北大学、一番町商店街、壱弐参(いろは)横丁など、市内の風景が多数登場する。市では同作を「仙台の風景を美しく映像化した作品で、市のプロモーションに大きな貢献が期待される」と評価。先行公開に向け、映画のグッズ制作やイベントへの協力など、積極的に盛り上げを図っていく構えだ。
授与式では梅原克彦仙台市長が、同作の森淳一監督と荒木美也子プロデューサーに認定証と副賞を授与。梅原市長は「この作品には街のたたずまい、そこに暮らす市民の息づかいがあふれている。地元はもちろん、日本中で多くの方にご覧いただき、舞台となった仙台・宮城が広く全国に紹介され、シティープロモーションの絶好の機会になれば」と話した。
賞を受け取った森監督は「撮影隊が『また仙台で映画を撮りたい』と思ってくれたり、観光の人たちが訪れてくれたり、あるいは住みたいと思ってくれたり、この映画をきっかけに仙台を愛してくれる人たちが増えていくことを願っている」とあいさつ。荒木プロデューサーは「映画を見たらこの街を訪れて歩きたくなるはず。上映期間だけでなく、DVDなども含めれば10年以上にわたって効果を生むツールになるのでは」と、映画が仙台にもたらす経済効果に期待を寄せた。
仙台の印象について、森監督が「歴史と過去と現在が密接につながっている街だと感じた」と話すと、梅原市長は「一流の芸術家は直感的に物事を見抜く」と持ち上げ、「私たちのいる仙台それ自体が素晴らしいコンテンツ。これまでの400年の蓄積だけでなく、これから10年、20年とクオリティーを高めていく努力が必要だ」とまとめた。
同作品は4月25日から、仙台・宮城で先行公開される。全国での封切りは5月23日を予定。