宮城県内の映画館で9月26日、映画「パンドラの匣(はこ)」の先行上映が開始された。
同作は、1945(昭和20)年~1946(昭和21)年に河北新報で連載された太宰治の同名小説が原作。今回の映画化は太宰生誕100年を記念して行われたもので、撮影は昨年11月から12月にかけて宮城県南三陸町を中心とするオール宮城ロケで行われた。
ストーリーは、結核を患う少年・ひばりが終戦を機に「健康道場」と称する風変わりな療養所へ入所。そこで出会う美人婦長・竹さんや気まぐれな看護婦・マア坊、おかしな療養者たちと過ごしながら成長し、生きる活力を取り戻していくという内容。
監督は「パビリオン山椒魚」「コンナオトナノオンナノコ」などを手掛けた冨永昌敬さんが務め、ジャズミュージシャンの菊地成孔さんが音楽を担当。キャストは、主役の「ひばり」役に染谷将太さん、「竹さん」役に川上未映子さん、「マア坊」役に仲里依紗さん。そのほか、窪塚洋介さん、ミッキー・カーチスさん、ふかわりょうさんなどが出演する。
同26日・27日には県内の各劇場で舞台あいさつが行われた。「仙台フォーラム」(仙台市青葉区木町通2)には冨永監督をはじめ、染谷さん、川上さん、仲さん、ミッキーさんの5人が登場。染谷さんは「宮城は空気や景色がキレイで、集中して(撮影)できる土地だった。ご飯もおいしかったし、この土地で撮影できて幸せ」とあいさつ。撮影中は坊主頭だったことから、「宮城に髪の毛が生えて戻って来られて幸せ(笑)」と会場を沸かせた。
川上さんは「音楽・色・映像と本当にきれいな映画。見る度にきらめくところが違ってくるので、何度でも楽しめると思う」とコメント。富永監督は「100%宮城で撮影した映画なので、先行上映できたことをうれしく思う。ぜひたくさんの方々に見ていただき、見ていない方が興味を持つように言いふらしてもらえれば」と呼び掛けた。
同館のほか、MOVIX仙台(太白区長町7)、MOVIX利府(宮城郡利府町)など5カ所で上映。10月10日から全国公開予定。