豆を使ったスイーツ店「秋保 森のスイーツ 豆あん」(仙台市太白区秋保町長袋字町南裏、TEL 022-209-4060)がオープン1周年を迎えた。
子どもの頃から甘いもの好きという店主の佐藤寛子さんは高校卒業後、製菓専門学校で1年間菓子作りの基礎を学んだ。「好きで選んだ道だったが、バターや生クリームをたくさん使うことを目の当たりにし、毎日のようにケーキを食べる生活に、卒業する頃には甘いものが嫌いになってしまった。そこからしばらくはお菓子から離れた生活を送っていた」と話す。
数年後、妊娠や産後の母乳育児で食べるものが体に与える影響を実感。育児によるストレスや疲れから、「甘いものが食べたいのに、今度は我慢しなければいけない日々を過ごした」という。そんな時に佐藤さんが作って食べていたのが、あんこや煮豆など高タンパク、低カロリーな豆を使ったもの。豆を使った菓子を作ろうと思い立ち、試行錯誤の末、最初に完成したのが豆腐をふんだんに入れたシフォンケーキだったという。
「豆のいいところを生かし、カロリーや体重を気にすることなく、おいしいスイーツをたくさんの人に味わってもらいたい」という思いが膨らみ、5人の子どもの末っ子が保育所に入ったのをきっかけに昨年9月1日、同店を開いた。
バターや生クリームを使わず、豆腐や豆乳、おからなどの大豆加工品や、小豆で作ったこしあんなど、豆を使ったスイーツを販売。佐藤さんが安心、安全だと判断した国産の食材をできるだけ使う。一見洋風に見えるケーキもほとんどが和菓子と同じ食材で作っているという。ケーキやロールケーキ、プリンなど約7種類を販売し、季節や気温によってラインアップを変える。
販売する商品は、「米粉の豆あんろーる」(365円)、「米粉の豆あん抹茶ろーる」(385円)、「豆あんはじまりのおとうふ米粉しふぉん」(415円)、「旬のふるーつカステラケーキ(究極のカステラケーキ『極』使用)」(585円)、「豆あんぷりん」(315円)、「豆あん特製みつようかん」(465円)、「豆あん特製ふるーつみつようかん」(535円)など。同店オリジナルブレンドのコーヒーやフルーツジュースなどのドリンクも用意する。
客単価は1,500円前後。30~50代の女性客を中心に、近隣住民だけでなく、アレルギーのある人や妊婦など遠方からの来店客も多いという。
1年を振り返り、「全て独学で、右も左も分からない状態からのスタートで不安も大きく、遠くまでお客さまが来てくれるのか心配だった。少しずつお客さまも増え、『おいしかった』と常連になってくれる方もいて、感謝の気持ちでいっぱい」と佐藤さん。「秋保の小さな店だが、これからも豆にこだわった、体に優しくおいしいスイーツを作り、たくさんの人に笑顔になってもらえれば」と話す。
営業日は火曜、木曜、土曜(祝日を除く)。営業時間は11時~16時(商品なくなり次第終了)。