インディア・ペールエール(IPA=アイピーエー)に特化したクラフトビール専門店「IPA本舗」(仙台市青葉区上杉1、TEL 022-263-7790)が愛宕上杉通にオープンして1カ月がたつ。
IPAは一般的にホップの苦味が強くアルコール度数の高いビアスタイル。「もともとビール好きでもなかった」という店主の伊藤秀樹さんがIPAと出合ったのは約4年前。「いろいろなビールを飲んでもあまりしっくりこなかった。たまたま飲んだIPAがおいしくて他にもいろいろ飲んでみたら、自分にはIPAが合っていると分かった」と伊藤さん。4年間で飲んだIPAは1000種類以上にも及ぶという。
新型コロナウイルス禍による不況で勤務していた居酒屋が閉店となり、定年間近だったこともあり元いた会社を早期退職。「これもいい機会、ピンチをチャンスに」と、以前から思い描いていたIPAをメインにしたクラフトビールショップを5月19日にオープンした。「IPAをはじめ、世の中にはいろんなスタイルのビールがあることを知ってもらえたら。よい道しるべになれれば」と伊藤さん。
店舗面積は12坪。店内の冷蔵庫には、色とりどりのラベルやデザインの缶や瓶がずらりと並ぶ。米国、英国をはじめ、ヨーロッパ、カナダ、日本など各地から取り寄せた250種類以上のクラフトビールを常時取りそろえる。うち5分の4がIPAという。価格は390円~1,800円台で、ラインアップは入荷状況により異なる。客が商品を選ぶ時の参考になるようにと、プライスカードにはアルコール度数やIBU(国際苦味単位)、ビールの特徴を記載する。
東北の商品ラインアップは、「BLACK TIDE BREWING」(気仙沼市)、「仙南クラフトビール」(角田市)、「Be Easy Brewing」(青森県弘前市)、秋田あくらビール(秋田県秋田市)、「米沢ジャックスブルワリー」(山形県米沢市)など。IPAのほか、ピルスナー、ヴァイツェン、スタウト、ペールエールも取りそろえる。
「飲んだビールの種類を覚えていてほしい」との思いから、商品一つ一つに同店オリジナルの「ビアカード」を用意し、購入客に渡している。カードには商品名と国、スタイル、アルコール度数やIBU(国際苦味単位)、香りや味わいなど特徴を記載している。
店内奥には、購入したビールをその場で飲める「角打ち」スペースを用意。利用には、グラス(レンタル)に乾き物が付いた「角打ちセット」(400円)の購入が必要。冷凍の枝豆(200円)、鶏軟骨唐揚げ(450円)、オムライス(500円)など角打ち用メニューも用意する。
「オープンから1カ月がたち、クラフトビールを飲んだことがない方からかなりコアな方まで、年齢も20代からご老人まで幅広く、女性や外国人の方の利用も多い」と伊藤さん。リピーターもついたという。「6月中にはオンラインショップの開設も予定している。おいしいクラフトビールを世界中からセレクトして皆さまに提案していきたい。こういう味が好き、こういう商品を探しているなど気軽に聞いてもらえたら」と来店を呼び掛ける。
営業時間は14時~22時。定休日は同店ウェブサイトやインスタグラムで知らせる。