東北6県の食材をふんだんに盛り込んだ幕の内弁当「東北福興(ふっこう)弁当~未来へのきざはし~」の販売が3月1日に始まった。
東北各地の食産事業者の食品を弁当に盛り込み、食の面で東日本大震災からの復興の一助になればとJR東日本フーズ(東京都台東区)が中小企業基盤整備機構(中小機構)東北本部の協力を得て、震災のあった2011(平成23)年の10月から展開している「東北福興弁当」。第1弾から第9弾までの通算出荷数は55万食にも上る。
第10弾となる今回は、購入者アンケートの声を基に、過去9種類の弁当に採用された事業者・食材の中から特に人気の高かった献立を中心に構成。過去最多21事業者の21品目を盛り込んだ。「復興に向け東北の食産事業者が一歩一歩着実に進んでいることを全国へ広く発信したい」(同社)と、「未来へのきざはし(階段)」とサブ名称を付けた。
主な献立は、青森=「キャベツにんにく入り塩麹(こうじ)炒め」「青森県産帆立(ほたて)生姜(しょうが)味噌(みそ)煮」、秋田=「鶏肉揚げ煮~秋田県産鮭(さけ)しょっつる使用」「秋田県産ハタハタの甘辛米麹和(あ)え」、岩手=「北三陸産わかめと玉葱(たまねぎ)のかき揚げ」「鮭の味噌漬け焼き~岩手県産大豆の味噌使用」、宮城=「揚げかまぼこ 遊里揚(ゆりあげ)」「宮城県産のり佃(つくだ)煮」「三陸産花こえび佃煮」、山形=「山形いも煮風炊き合わせ」「山形県産ヤーコン粕(かす)漬け」、福島=「福島県産紫花豆甘露煮の天ぷら」「揚げなすのいわき遠野産トマトと会津産牛乳のヨーグルトソースがけ」「福島県産若桃の甘露煮」など。
シリーズ第10弾を記念して、これまでの取り組みを紹介するPR動画も制作。中小機構のユーチューブチャンネルで公開している。「復興を頑張ってきた東北の食の素晴らしさを、感謝の思いを込めて、この駅弁を通して全国へ発信してきたい」とJR東日本フーズ仙台調理センターの杉山洋所長。「駅弁は電車の中で景色を見ながら食べるのが一番おいしい。コロナ禍で移動の制限はあるが、新幹線に乗って車窓を見ながら食べていただけたら」と話す。
価格は1,200円。JR仙台駅構内の駅弁販売店のほか、JR東京駅の「駅弁屋 祭」「駅弁屋 踊」でも取り扱う。販売期間は来年2月までを予定。