仙台市太白区あすと長町で2019年11月から建設が進められていた東日本放送の新社屋が2月5日、完成した。
1975(昭和50)年に県内4つ目の民放テレビ局として青葉区上杉で開局し、1991(平成3)年に現在の青葉区双葉ケ丘へ移転した東日本放送。去年10月1日に開局45周年を迎えた。
新社屋はあすと長町の「杜(もり)の広場公園」に隣接し、鉄骨造りの地上4階、塔屋1階建て。延べ床面積は8510平方メートル、建築面積は2965平方メートル。設計施工は竹中工務店が担当した。
外観は突き出したガラス張りの階段と特徴的なデザインの鉄塔が目を引く。鉄塔は「活気あふれるあすと長町のアクティビティーを引き込む『渦』と、メディアとして街にコンテンツを発信する『上昇気流』をイメージした」(同局)という。運用開始後はライトアップも予定する。
1階のエントランスホールは広場に大きく開かれ、一般の人も利用できるカフェやグッズショップを展開する予定。広さ330平方メートルの第1スタジオ、188平方メートルの第2スタジオのほか、250インチのスクリーンと5.1チャンネルのサウンドシステム、178席の収納式観覧席を備えた「ぐりりホール」を設ける。「災害に強く、 視聴者に迅速かつ正確な情報を届けられる施設として整備するとともに、地域に開かれたテレビ局を目指す」(同局)という。2階はスタジオを併設する報道フロア、3階、4階はオフィスなどが入る。
この日行われた竣工(しゅんこう)式で、東日本放送の佐藤吉雄社長は「(コロナ禍で)先が見通せない中、私たちにとってこの社屋が道しるべであり希望のともしびだと考えている。地元長町、仙台市民、宮城県民のともしびになる放送局になりたい」と意気込みを話した。
運用開始は今年10月を予定する。