女川町の公認マスコットキャラクター「シーパルちゃん」と人気漫画「ケロロ軍曹」のイラストをあしらったカップ酒が10月1日、発売された。発売元はJR女川駅前のテナント型商業施設「シーパルピア女川」を運営する「みらい創造」。
「ケロロ軍曹」は漫画雑誌「月刊少年エース」(発行元=KADOKAWA)で長期連載中の作品。東日本大震災直後に女川町内外の有志が開局した臨時災害放送局「女川さいがいFM(現・オナガワエフエム)」の活動を知ったKADOKAWA担当者が局に支援を申し出たことがきっかけで、2012(平成24)年に交流が始まった。
東日本大震災から間もなく10年を迎えるに当たり、「これまでの多くのご支援に感謝するとともに、今後末永く『ケロロ軍曹』と女川町の友情を続けていきたい」という双方の願いから今回、人気の土産商品「シーパルちゃんカップ」の第2弾を企画。「伯楽星」で知られる蔵元、新澤醸造店(大崎市)の協力を得て発売にこぎ着けた。
「ケロロ軍曹」作者の吉崎観音(みね)さんが「友情」をテーマに描き下ろしたコラボイラストをカップにデザイン。女川町のある牡鹿半島の地図を背景に、ケロロ軍曹とシーパルちゃんが笑顔で酒を楽しむ様子が描かれている。裏面には吉崎さん直筆のメッセージも記されている。
シーパルちゃんはツイッターで「シーパルちゃん、吉崎先生にめちゃんこかわいく描いてもらったパルよ。ケロロ軍曹と一緒にお酒が飲める日が来るなんて、夢みたいパル!!嬉しすぎて今ちょっと暴れてきたパル。この商品の実現に関わったすべての皆様に心より感謝申し上げますパル。ッヒャー!嬉しいパル~!!」(原文ママ)と感激した様子を見せた。
酒は「あたごのまつ 特別純米酒」。女川みらい創造営業部長の木村貴之さんによると、柔らかな口当たりと切れのある酸味がバランスの良い本格特別純米酒で、「刺し身によく合う味わいで、女性も飲みやすい口当たり。これからの季節、カキやサバとの相性がいい」という。
「女川水産業体験館 あがいんステーション」「女川温泉ゆぽっぽ」のみで販売し、10月22日現在で約230本を売り上げた。週末には仙台や石巻、関東圏から作品のファンが購入に訪れ、電話やメールでの問い合わせも多数あるという。
木村さんは「このカップ酒を目当てに遊びに来てくれる人が増えてほしい。女川の町並み、空気、おいしい食べ物、町民との交流を体感してもらい、土産のカップ酒と共に持ち帰っていただければ」と期待を寄せる。
価格は180ミリリットル入り=450円。