宅配ポータルサイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」(大阪府大阪市)が6月3日、配達機能を持たない飲食店の出前を可能にする宅配代行サービス「シェアリングデリバリー」を仙台市内で始めた。
利用者が出前館で料理を注文すると店舗と配達パートナーに注文内容が伝達され、店舗は指定時間までに料理を仕上げ、配達パートナーが料理を受け取ってバイクや電動自転車で届けるシステム。2017(平成29)年から出前のニーズに対して対応可能な店の数が十分でないエリアを中心に展開し、東北では今回が初めて。
広報の藤本久美さんは「これまでの出前館のデータを分析しても仙台は出前のニーズが十分あり、出前可能店舗が増えることにより顧客満足度が向上し、より多くのお客さまにネット出前を便利に利用いただけると考えている」と話す。
仙台エリアの配達パートナーを担う朝日新聞仙台中央新聞販売(仙台市青葉区中央4)の村上和伸社長は「飲食店の料理を配達するのは初めての挑戦となるが、これまで培った配達に必要な技術や地元の詳細な地理情報など新聞販売店ならではノウハウを生かしていきたい」と話す。「フードデリバリーの知見を蓄え、仙台以外のエリアに拡大していけるよう取り組みたい」とも。
サービス開始時は、「牛たん炭焼高也」「牡蠣(かき)小屋ろっこ」「ゴリラ食堂 一番町店」「かっぱ寿司(ずし)」「ロッテリア」など市内11店が導入。同社によると、今後は大手チェーンから地元人気店までさまざまなジャンルの店を追加し、7月にかけて20店に増やす予定という。現在の配達対象エリアは仙台駅、東仙台駅周辺が中心。順次拡大を予定している。
藤本さんは「出前館を利用されたことのない方にもサービスを知っていただける機会になればうれしい。ネット出前の文化を仙台でもさらに広げ、皆さまの生活における利便性向上に貢献できれば」と意気込む。
配達料は基本300円。5,000円以上の注文で無料。