ゼビオアリーナ仙台(仙台市太白区あすと長町1)で3月24日・25日、バドミントン国内最高峰「S/Jリーグ」の上位4チームによる初の公式カップ戦「TOP4トーナメント」が開催された。
日本バドミントン協会主催の公式試合では初の賞金大会として行われた同大会。出場チームは、男子=トナミ運輸、日本ユニシス、NTT東日本、日立情報通信エンジニアリング、女子=日本ユニシス、北都銀行、再春館製薬所、ヨネックス。
聖ウルスラ学院英智高出身でリオデジャネイロ五輪金メダリストの高橋礼華選手・松友美佐紀選手ペア(日本ユニシス)、常盤木学園高出身の佐藤冴香選手(ヨネックス)、宮城県生まれの佐藤黎選手(NTT東日本)ら県ゆかりの選手も出場した。
24日は準決勝が行われ、男子=トナミ運輸、日本ユニシス、女子=日本ユニシス、再春館製薬所が25日の決勝に駒を進めた。決勝には2300人が来場。岩手・宮城・福島の小学生から大学生で構成する「東北ユースオーケストラ」によるオープニングアクトも華を添えた。
女子決勝、第1ダブルスは18日まで行われていた全英オープン(OP)で準優勝した再春館製薬所の福島由紀選手・廣田彩花選手ペアが日本ユニシスの星千智選手・東野有紗選手ペアを21-15、21-13で下して王手を懸けた。シングルスは世界ランキング2位で全英OP準優勝の山口茜選手(再春館製薬所)と、S/Jリーグでは山口選手に勝利している高橋沙也加選手(日本ユニシス)の対戦。高橋選手は第1ゲーム終盤に4連続ポイントで17-17と追い付くが、そこから山口選手が4連続ポイントを返して一気にゲームを先取。第2ゲームは山口選手が終始圧倒し、21-8の大差を付け勝利した。
男子決勝、第1ダブルスはトナミ運輸の園田啓悟選手・保木卓朗選手が日本ユニシスの井上拓斗選手・金子祐樹選手にゲームカウント2-1で勝利。シングルスはS/Jリーグ新人賞の日本ユニシス五十嵐優選手がトナミ運輸の常山幹太選手を2-0で下し、勝負の行方は第2ダブルスへ。日本ユニシスは全英OPミックスダブルス優勝の渡辺勇大選手が渡邉航貴選手とペアを組み、トナミ運輸は嘉村健士選手と利府町出身の小林優吾選手によるペア。第1ゲームは一進一退の展開となり24-22で嘉村・小林ペアが競り勝つ。第2ゲームは渡辺・渡邉ペアが5連続ポイントを2回、嘉村・小林ペアも7連続ポイントを取るなど流れが行き来する展開となり、最後は嘉村・小林ペアが15-18から6連続ポイントで逆転しそのまま試合を決めた。
再春館製薬所の山口選手は「S/Jリーグでは自分が負けてチームの負けを決めてしまったが、今日は自分が勝てば優勝できるということで楽しくやれた。応援がすごく力になった」と話し、「これからまた海外の試合が多くなるが、いい結果を報告できるように頑張りたい」と誓った。ペアでMVPも受賞した小林選手は「2セット目で6点差まで離されて相手も乗ってきたときに心が折れかけたが、先輩(嘉村選手)から『落ち着いて好きなことをやっていい』と声を掛けてもらい、リラックスして好きにやることができた。最後まで分からない試合だったが、会場の皆さんにいい試合を見せられたのでは」と振り返った。
優勝チームにはそれぞれ賞金300万円が贈られた。