仙台市内の飲食店で現在、若林区井土地区で生産したネギを使った「仙台井土ねぎフェア」が行われている。
「仙台井土ねぎ」は、東日本大震災の津波により大きな被害を受けた若林区井土地区で育てられたネギ。同地区の農業再生に向けて取り組む農事組合法人「井土生産組合」(仙台市若林区井土字大分)が2015年に本格生産を始めた。同年度の宮城県農林産物品評会では「宮城県知事賞」を受賞した。
同組合代表理事の鈴木保則さんは「元々レタスやホウレン草・小松菜などを生産していたが、津波の被害で土に影響が出て、震災前と同じ作物を作るのが難しくなってしまった。いろいろな野菜を試行錯誤しながら作ってみた中で、震災後に初めて収穫できた作物が、このネギだった」と振り返る。
井戸水を使い種から育てる一貫管理体制で手掛け、現在は約8ヘクタールの土地で年間約200トンを生産。「仙台湾沿岸の豊富な日射量と夏の涼しい海風に育まれ、甘み豊かでトロッと柔らかい『甘とろ』な食感が特徴」という。
仙台井土ねぎのPRを目的に企画された同フェアは昨年に続き2回目。今回は居酒屋・ラーメン店など14店で仙台井土ねぎを使ったオリジナルメニューを提供する。
仙台市中心部の参加店と提供メニューは以下の通り。一番五郎(青葉区一番町2)=「ネギのせ味噌(みそ)ラーメン」(770円)、串揚げ居酒屋油食来(一番町4)=「仙台井土ねぎの甘とろ串揚げ」(120円)、炎助式担担麺と肉汁魔婆(マーボー)豆腐の店 炎助(同)=「仙台井土ねぎ担々麺」(900円)、炭火焼 山塞(さんさい)料理 地雷也(国分町2)=「仙台井土ねぎたっぷり油揚げ」(648円)、えびそば えび助仙台国分町店(国分町3)=「仙台井土ねぎそば」、辛味噌タンメン カラ助(同)=「仙台井土ねぎそば」(以上830円)。
鈴木さんは「皆さまの支援や応援のおかげで、ここまで来ることができた。感謝の思いを込めて我々が作った仙台井土ねぎを、この機会に味わってもらえれば」と呼び掛ける。
11月30日まで。