仙台で「漁業就業支援フェア」 担い手確保へ魅力アピール、10代の就業希望者も

出展団体のブースで担当者の説明を熱心に聞く来場者

出展団体のブースで担当者の説明を熱心に聞く来場者

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 イベントホール松栄(仙台市宮城野区榴岡1)で9月2日、「漁業就業支援フェア in 仙台」が開かれた。

先輩漁師によるトークセッションの様子

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 全国の海面漁業就業者数18万985人のうち宮城は6516人と全国8番目の多さだが、震災の影響もあり1983(昭和58)年の2万6540人に比べ2万人以上減少した(以上、2013年時点)。将来の推計ではさらなる減少と高齢化が見込まれる。

 そうした背景から県では「みやぎの漁業担い手確保育成支援事業」として昨年度から就業支援体制の整備を進め、新規就業希望者を対象とした研修「みやぎ漁師カレッジ」を開講。さらに本年度、漁師になりたい人が漁業関連団体や従事者と直接話ができる機会として同フェアを企画した。同様のフェアは水産庁補助事業として全国漁業就業者確保育成センターが東京、大阪、福岡、仙台などで開いているが、県主催で行うのは今回が初めて。

 会場では漁協や漁業会社など12団体がブース出展。仕事の内容や漁師の生活、地域の特色などを紹介し、個別に就職や移住の相談に応じた。ステージでは宮城の漁業の概要や就業希望者への支援制度についてのガイダンスのほか、「みやぎ漁師カレッジ」を修了して石巻市の網地島で新規就業した澤口佳伸さんを迎え、トークセッションも行った。

 澤口さんは漁業を目指したきっかけや苦労話を明かし、やりがいや楽しさをアピール。来場者からの「一番稼いだのは月いくらか」といったストレートな質問にも答えた。「こういう場で話すのは得意ではないが、少しでも漁師という職業に興味を持ってもらえればと思って引き受けた」といい、「高齢化が進み震災もあって漁業者が減っている中、集まってくださった方にとっていいきっかけになれば」と期待を込める。

 この日は就業を希望する人やその家族など10~70代の約80人が来場。岩手県花巻市から訪れた高校3年の藤井悠輔さんは「小さい頃から海に憧れがあり、漁師になりたいと思い参加した」という。みやぎ漁師カレッジの研修も受けており、「大変な仕事だと感じたが、漁師になりたいという気持ちがさらに高まった。卒業したらすぐにでも漁業に就きたい」と力強く話した。

 県では今後も毎年継続開催し、将来的には同事業などを通して年間35人の新規就業者を確保したい考え。

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