![海野宗伯さん作「黒漆五枚胴具足着用 伊達政宗武将像」全体像](https://images.keizai.biz/sendai_keizai/headline/1475050341_photo.jpg)
戦国武将像やヒストリカルフィギュア、仏像など「日本の美」をテーマにした現代美術作品を制作・販売する謙信(東京都中央区)が現在、「黒漆五枚胴具足着用 伊達政宗武将像」を販売している。
細部表現と独自の色彩表現を重視した本格的な立体・美術工芸品の企画・開発プロデュース、製造・販売までトータルで行う同社。2015年には高品質な造形を作ることに特化した少数精鋭の造形工房「謙信工房」を設立し、「一時的な流行により消費される安易な作品を排し、100年先に残せる作品であること、当社にしか生み出せない作品であること」を目指したものづくりを行う。
同作品を手掛けたのは、日本の甲冑(かっちゅう)の美しさを立体彫像として残す創作活動を行う作家・海野宗伯さん。30年以上にわたり戦国大名と戦国美術の研究を行い、戦国期の鎧(よろい)の研究を基に、できる限り正確に甲冑装束のいでたちを再現した彫像を制作している。仙台藩初代藩主・伊達政宗公が来年生誕450年を迎えることを記念して今回、「織田信長」「真田幸村」の武将像に続く第3弾作品として発表した。
「さっそうと指揮を執る若き伊達政宗公の青年像」を再現した同作。大きさは幅32センチ・奥行き30センチ・高さ53.5センチで、重量は約3キログラム。素材はポリストーンで、一部に金属、ポリウレタン、特殊樹脂、金属、本金箔(きんぱく)、ひもを使用。専用化粧箱、立て札が付属する。
型抜きから磨き、彩色と制作工程は全て手作業。質感を重視し、「金属部や布、革、漆といった質感の差を特に意識し、手仕事で微妙な輝きや質感付けが与えられている」と同社担当者。「伊達の軍装の美しさは漆黒の装備の中にただ一つ、たなびく金の三日月(前立て)を押し出し、その美を際立たせるところにある」ことから、前立てには本金箔を用いることにより、本物のような輝きを再現した。
今年8月の販売開始から、個人のほか企業から企業への贈答品としての購入もあるという。同担当者は「数年間に及ぶ研究と複製困難な制作の技術的な克服によりたどり着いた、創業以来20年間の理念と技術の結晶。考証に基づく独眼竜・伊達政宗の正確な雄姿を多くの方に提供できることを誇りに思う」と話し、「地元仙台の方々に実物をご覧いただければ」と呼び掛ける。
価格は税別20万円。限定50点。別売りの専用ケース(同5万円)も用意する。