仙台の佐々木印刷所(仙台市宮城野区日の出町2、TEL 022-236-1281)が手掛けた「こけし付箋紙(宮城編)」が、土産品として人気を集めている。
東日本大震災の被災動物支援を目的に製作した同商品。震災後に県内沿岸部の被害を目の当たりにした同社の佐々木英明社長が、「被災者だけでなくペットも、飼い主の方がお亡くなりになったり仮設住宅で飼うことができず離ればなれになったりと、大変な目に遭っている」と感じ、「何か印刷物で役に立てないか」と企画した。
「山側から沿岸部の被災地を助けるという意味も込め」、付箋には温泉地の伝統工芸品・こけしをあしらった。鳴子系、作並系、遠刈田系、弥治郎系と宮城県の4系統のこけしをデザイン。それぞれの特徴を出すため、産地を訪ねて工人から話を聞くなど、事前に歴史や系統を勉強し直したという。「系統や工人によって表情や模様・雰囲気などがまるで異なり、奥の深さに驚いた」と佐々木さん。サイズは横=1.5センチ・縦=5.5センチで、各20枚つづり。
9月初旬から市内の民芸品店で販売を開始。観光客をはじめ、こけしグッズファンや市民が購入し、売れ行きは「好調」。「観光客の方にお土産として購入していただき、全国に広まっていけばうれしい」と佐々木さん。「今後は他県の系統も企画していきたい。現在も大変な思いをされている福島県・土湯などのお役にも立てれば」と意気込む。
価格は1セット400円で、うち100円を被災動物支援に充てる。仙台市内の「こけしのしまぬき」本店・エスパル店、東京・雑司が谷の「旅猫雑貨店」、佐々木印刷所で販売する。